意見書第8号

意見書第8号

    Hibワクチンの早期定期予防接種化を求める意見書


 Hibワクチンは、インフルエンザ菌b型(Hib)による乳幼児の細菌性髄膜炎等の感染症に対する予防効果が期待できるものであり、現在百カ国以上で利用されている。
 細菌性髄膜炎は抗生物質による治療にもかかわらず、約5%が死亡し、約15から20%に後遺症が残ってしまう恐ろしい病気である。日本では細菌性髄膜炎の3人に2人はHibが原因で起こっており、その患者数は、日本外来小児学会によると5歳までの子どもで全国に少なくとも年間600人以上に上る。
 近年では、抗生物質に対するHibの耐性化が進み、難治化する傾向にある。また、Hibは飛沫感染することから、保育園や幼稚園など集団生活機会の増加により、子どもたちが集団感染するおそれがある。そのため、罹患前の予防が非常に有効であり、ワクチンを定期予防接種化した国々では発症率が大幅に減少し、WHOも1998年にHibワクチンの定期接種を勧告している。
わが国においては、Hibワクチンが2007年1月に承認されたが、任意接種のため患者の費用負担が大きく、ワクチンの導入にはいまだ高い壁がある。Hibワクチンは国内の細菌性髄膜炎の多くを防ぐことが期待できるとともに、医療費の削減に貢献する度合いが極めて高いことから、細菌性髄膜炎の予防に関する早期定期予防接種化が急がれる。
 よって、国におかれては、速やかに細菌性髄膜炎を予防接種法による定期接種対象疾患(一類疾病)に位置付けることを強く要望する。


以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成21年7月1日

         奈 良 県 議 会

(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
厚生労働大臣