意見書第4号

意見書第4号

    政治資金規正法の制裁強化を求める意見書

 政治資金をめぐる国会議員らの不祥事が発覚するたびに再発防止策が議論され、収支の公開方法や献金規制の強化などの政治資金規正法改正が繰り返されてきた。
 国民の政治不信を招く「政治とカネ」の問題を断ち切るために、再発防止に向けた法整備にしっかり取り組むことが強く求められている。特に、「秘書が勝手にやったことで自分は知らない」と、議員自らが責任をとろうとせず、会計責任者が不正行為を働いた場合には監督責任のある政治家が責任をとる具体的な仕組みをつくる必要がある。
 現行法では、国会議員など政治団体の代表者が「会計責任者の選任及び監督」について「相当の注意を怠ったときは、50万円以下の罰金に処する」と規定されているが、実際に会計責任者が収支報告書の虚偽記載などの不正を犯した場合、その人を会計責任者に選ぶ段階で「相当の注意を怠った」と立証するのは困難であり、実効性に欠けると言わざるを得ない。
 したがって、会計責任者の「選任及び監督」を「選任又は監督」に変更し、政治団体の代表者が会計責任者の監督についてだけでも「相当の注意」を怠れば、罰金刑を科せられる仕組みに改めるべきである。
 よって、国におかれては、より一層の制裁強化を図るため、秘書などの会計責任者が違法行為を犯した場合に、監督責任のある国会議員の公民権(選挙権や被選挙権)を停止する政治資金規正法改正案の今国会での成立を強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成22年3月24日

         奈 良 県 議 会

(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣