意見書第2号

意見書第2号

   輸入食品の安全確保に関する意見書

 食糧自給率が40%を下回っている我が国にあって、近年、国民の食生活に占める輸入食品への依存率は高まる一方となっており、今や外食産業や学校給食はもとより、一般家庭においても数多くの種類が大量に消費されている状況にある。
 しかしながら、輸入食品については残留農薬基準違反等の事例が後を絶たず、その安全性に関してはかねてから危惧されていたところであるが、今般、兵庫県と千葉県で中国産冷凍餃子に混入した農薬が原因と思われる重篤な健康被害事件が発生し、国民が抱く不安と不信はより一層深刻なものとなっている。
 現在、政府を挙げて徹底的な原因の究明が進められているが、国民が安心して豊かな食生活を送るためには、食糧自給率を高め、地産地消を促進する等の取り組みを進めるとともに、行政と事業者が緊密に連携し、今まで以上に安全で安心な食品の供給体制を構築することが極めて重要な課題となっている。
 よって、国におかれては、輸入食品を始め国内に流通する食品全般の安全性を確保し、再びこのような事件が発生しないようにするために、次に掲げる施策の実現を早急に図られるよう強く要望する。

1 流通食品への毒物混入の防止対策を徹底すること。
2 事故発生時における事業者の迅速な対応を促す措置を講じること。
3 輸入食品に係る検疫体制のさらなる拡充・強化を図ること。
4 都道府県等が実施する食品検査の充実に向けて、積極的な財政支援を行うこと。
5 国内での加工食品、農産物生産拡大と食糧自給率の向上。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成20年3月24日

         奈 良 県 議 会 

(提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 総務大臣
 財務大臣
 厚生労働大臣
 農林水産大臣
 防災食品安全担当大臣