意見書第5号

意見書第5号

    国産材を利用した住宅の建築促進に関する意見書


 森林には、国土の保全、災害の防止、自然環境の保全、水源のかん養等の多くの公益的機能がある。特に、京都議定書による温室効果ガス6%削減の約束達成のため、森林の二酸化炭素吸収量の確保に向けた着実な取組が求められている。
 しかしながら、木材価格の低迷による林業の採算性の低下から、森林所有者の森林整備に対する意欲が減退し、間伐等が行われず、森林の機能が十分に発揮できない状況にある。
 平成18年に成立した「住生活基本法」で、現在及び将来の国民の住生活の基盤である良質な住宅の供給等を基本理念として、住生活の安定の確保及び向上の促進のために必要な施策を講じることが明記されたところであるが、国産材を利用した住宅の建築促進が住生活の向上につながる好機と捉え、国産材の需要拡大につながる諸施策を実施し、森林整備を活性化させることが求められている。また、建築基準法の改正による新設住宅着工戸数の落ち込みが回復しつつある状況にあって、木造住宅に関する建築基準法の4号特例の見直しにあたっては、円滑な実施ができるよう適切な国の指導が望まれている。
 よって、国におかれては以上の現状を踏まえ、次の事項について取り組むよう強く要望する。

1 国産材の建築材料について、住宅の長寿命化に対応するための技術開発及び実用化の支援を行うこと。
2 国産材を利用して住宅を建築する者のための融資制度や税制上の軽減措置を充実すること。
3 国産材を利用した住宅の建築に関する普及啓発の推進に努めること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成20年7月11日

         奈 良 県 議 会

(提出先)
 衆議院議長
 参議院議長
 内閣総理大臣
 総務大臣
 財務大臣
 農林水産大臣
 国土交通大臣