意見書第2号

意見書第2号

       新型交付税等に関する意見書

 先般、2007年度の地方財政計画が決定し、地方交付税の法定率分が堅持されるとともに、2006年度を約5,000億円上回る一般財源総額が確保された。
 一方、政府は自治体財政力格差の問題を放置したまま、新型交付税の導入や「頑張る地方応援プログラム」などの配分の見直しを進めている。特に、新型交付税については、2006年度算定をベースとした試算結果に基づき、種々調整を行っているとしているが、多くの団体において減額になるとの情報もあり、新型交付税の導入による算定額の変動は、小規模な団体ほど財政に与える影響が大きく、地方公共団体には不安感や懸念が広がっている。
 よって、国におかれては、地方交付税の算定、配分に当たっては、財政力の格差是正に向けた公平・中立な交付税算定が必要であることから、次の事項について特段の措置を講じるよう強く要望する。

1 必要な交付税総額を確保するとともに、新型交付税及び地域振興費の単位費用につ いては、地方の財政需要の実態に応じ設定し、交付税算定の見直しにより、交付税配 分額が従来に比べ大幅に減少する団体がないようにすること。とりわけ財政力の弱い 団体や小規模市町村の財政運営に支障がないよう適切に対応すること。
2 地方交付税制度の見直し、新型交付税の具体的な制度設計、中期地方財政ビジョン の策定等は地方に密接に関わる課題であることから、地方の参画のもと地方の代表者 と政府が協議を行い、地方の意見を政府の政策立案や執行に反映させながら進めるこ と。新型交付税について、今後国の基準付けの廃止等の状況を踏まえながら規模を拡 大することとされているが、規模の拡大に当たっては、人口と面積だけで単純には算 定しがたい財政需要が存在することから、地方公共団体の財政運営に及ぼす影響等を 十分に検討すること。
3 3兆円の税源移譲に伴い、年9,600億円の減額となる交付税原資の縮小問題に的確に 対応すること。
4 今後、地方分権に関わる具体的議論は、地方分権改革推進委員会で進められるが、 分権改革の残された最大の課題は国と地方の税財源配分のあり方であり、地方の実情 を十分反映できるよう配慮するとともに、事務局体制を早期に確立すること。

  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

   平成19年3月16日

      奈 良 県 議 会 

(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣