意見書第6号

意見書第6号

   森林・林業に関する施策の充実を求める意見書

 人類の生存基盤を揺るがしかねない地球温暖化現象に対処する京都議定書の目標達成計画の中で、森林は温室効果ガスの吸収源として大きな役割を期待されているなど、森林に対する国民のニーズは多様化している。
 加えて、近年大規模な自然災害が多発しており、山地災害を未然に防止するため、治山対策や森林整備が急務となっている。
 この森林を適切に整備保全し、緑豊かな国土を未来へ引き継いでいくため、国では平成19年2月から「美しい森林づくり国民運動」を開始されたところであるが、森林の一体的な整備の役割を担うべき林業・木材産業は、用材自給率や新規就業者数の低迷など、厳しい状況が続いており、森林の保全及び林業・木材産業の再生に向けた強力な施策展開が必要である。
 よって、国におかれては、次の事項に取り組まれるよう強く要望する。

1 多様で健全な森林の整備・保全等を促進する森林・林業基本計画の推進と、これを実現するための予算の確保。
2 地球温暖化防止森林吸収源対策を推進するための追加的事業費の安定的な財源の確保と、事業執行に伴う地方財政追加措置及び森林所有者負担の軽減。
3 森林・林業の担い手の育成・確保及び国産材の安定供給体制の整備と、利用拡大を軸とする林業・木材産業の再生に向けた諸施策の展開。
4 国民の安全・安心な暮らしを守る国土保全対策の推進。
5 地球的規模での環境保全や、持続可能な森林経営を目指した違法伐採対策の推進。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

   平成19年7月2日

         奈 良 県 議 会 

(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
農林水産大臣
環境大臣