意見書第７号
「平城宮跡」等の国営公園化に関する意見書
奈良の地はかつて、古代日本の首都であり、飛鳥京、藤原京、平城京の都が置かれ、政治・経済・文化の中心として栄えた。また、この時代には中国や朝鮮との交流を通して、日本文化の原型が形成された。
平城京の中心である「平城宮跡」は、広大な宮殿跡の大半が国有地として管理されており、往時の建物跡や木簡が良好な状態で保存され、国の特別史跡「平城宮跡」の指定を受けるとともに、平成１０年には世界遺産「古都奈良の文化財」に登録されている。
また、飛鳥京、藤原京も、我が国の律令国家発祥からその形成過程を解明できる多くの宮都や寺院、古墳の遺跡が、優れた周辺環境と相まって、良好な状態で保存されており、特別史跡「藤原宮跡」をはじめ、飛鳥・藤原地域の史跡・名勝等が本年１月に我が国の世界遺産暫定一覧表に追加記載されたところである。
これら我が国固有の優れた文化的資産の保存及び活用を図り、広く国内外の人々がその価値を享受し、これらの文化財を次代に継承していくためにも、早期に整備を図ることが重要である。
よって、国におかれては、「平城宮跡」等の文化遺産の価値をさらに充実させるため、次の措置を講じられるよう強く要望する。
１ 特別史跡「平城宮跡」、史跡「朱雀大路」等を、「古代の都城文化や日本の歴史文化を体験的に学ぶ場」とす るとともに、「文化創造や交流・広域観光ネットワークの拠点」として活用できるよう、平成２２年に平城遷都１３００年を迎えることを踏まえて、国営公園（ロ号）として整備すること。
２ 史跡「飛鳥京跡苑池」、「飛鳥水落遺跡」、「酒船石遺跡」等や特別史跡「藤原宮跡」の保存及び活用を図るため、国営公園（ロ号）として整備すること。
３ 右及び現在事業中の国営飛鳥歴史公園「キトラ古墳周辺地区」の整備を推進するため、所要の事業費を確保すること。
以上、地方自治法第９９条の規定により意見書を提出する。
平成１９年７月２日
奈 良 県 議 会
（提出先）
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
国土交通大臣
文化庁長官