意見書第8号

意見書第8号

   国民皆保険制度の堅持を求める意見書

 美しい日本は、単に自然環境に限定されるものではなく、快適で調和のある私的、社会的な文化環境が保たれることにほかならない。
 戦後の混乱混迷から、我が国は不死鳥のごとくよみがえり、世界に類をみない社会保障制度、とりわけ国民皆保険制度を確立、維持してきた。
 しかるに今日、世界に冠たる国民皆保険制度は、公的医療費削減を唱える市場原理主義者の主導により、崩壊の危機を迎えている。
 すなわち、医療の現場では人的にも機能的にも極限状態を強いられ、高齢者のための長期療養施設の削減により、多数の医療・介護難民を生み、患者一部負担引き上げとともに受療機会が奪われている。
 医療提供体制の崩壊の兆が顕著になり、特に、産科・小児科・救急医療は、惨憺たる状況になっている。
 よって、国におかれては、社会保障制度、とりわけ医療制度のあり方が大きく論じられている現在、今後、国民が安心できる医療提供体制のもとで国民皆保険制度が堅持されるため、次の事項の実現がなされるよう強く要望する。

1 国民の生命と健康を守るための医療費財源の確保
2 患者負担増反対
3 医療の格差是正
4 高齢者のための入院施設の削減反対
5 医師、看護師の増員、確保

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

   平成19年7月2日

         奈 良 県 議 会 

(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
財務大臣
厚生労働大臣