意見書第17号

意見書第17号

    いじめ・不登校対策のための施策を求める意見書

 教育現場では、いじめや不登校の問題が深刻である。
 いじめの発生件数は、小・中・高等学校数全体の約2割に当たる2万件(平成17年度)を超える報告がされている。いじめを苦にした児童・生徒の自殺が相次いだことにより、改めていじめ問題に大きな関心が集まり、文部科学省の「子どもを守り育てる体制づくりのための有識者会議」でも議論され、教師や保護者、地域の大人たちに向けた提言をまとめ、教師向けの「いじめ対策Q&A」も含めて全国に配布された。
 一方、不登校は主に小・中学校で深刻化しており、文科省の調査(平成17年度)によれば、小学校で317人に1人、中学校では36人に1人と、学年が上がるにつれて増加傾向にある。
 いじめや不登校で苦しんでいる子どもたちに、各地でさまざまな試みがされているが、効果を挙げているものも参考にしながら、具体的な施策を速やかに実施すべきである。
 よって、国におかれては、子どもたちの笑顔と希望があふれる教育環境づくりのために、次の事項の実現を強く要望する。

1「いじめレスキュー隊」(仮称)の設置の推進
  第三者機関による「いじめレスキュー隊」(仮称)を設置し、子どもや親などからのSOSに瞬時に対応し、まず「いじめられている子」を守り、孤独感、疎外感から解放し、その後、学校関係者と、いじめる側、いじめられる側との仲立ちをし、子ども同士の人間関係、「絆」の回復を図る。
2「ほっとステーション」(仮称)づくり
  NPO法人による不登校のためのフリースクールなどを活用し、地域の中に子どもが安心できる居場所を「ほっとステーション」(仮称)として設置し、授業出席と認定する仕組みを作る。さらに「ほっとステーション」から学校へと戻れるようにする。
3「メンタルフレンド制度」の実施
  教員志望の学生等を家庭や学校に派遣する「メンタルフレンド制度」は、子どものよき話し相手・相談相手となることで、子どもたちに安心感を与え、子どもたちの人間関係修復にも役立つなど効果を挙げており、同制度を全国で実施するようにする。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成19年10月5日

     奈 良 県 議 会
【提出先】
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
法務大臣
文部科学大臣

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