意見書第3号

意見書第3号
  
      消費者保護基本法の抜本改正を求める意見書

 ここ数年、商品やサービス・金融に関する消費者被害が日本各地において急増し、消費者の暮らしをおびやかしている。国民生活センターの統計によると、全国各地の消費生活センターなどに寄せられた消費者からの苦情件数は、2002年度には83万件に上り、10年前の4.4倍に達している。奈良県においても7,827件の相談件数で3年連続最多を更新している。
 こうした状況を踏まえ、内閣府・国民生活審議会の消費者政策部会では、報告書「21世紀型の消費者政策の在り方について」を2003年5月にとりまとめた。この報告書は、消費者の権利を消費者政策の基本理念とし、消費者保護基本法の抜本改正をはじめ、消費者団体訴訟制度(団体訴権)等の導入を明確に打ち出すなど、日本の消費者政策にとって画期的な整備方針が示されている。
 現在政府では、この報告書の具体化に向けて、今年の通常国会で改正法案が審議される見通しとなっている。
 よって、国におかれては、消費者にとって安全・安心な暮らしが保障される社会システムを実現するため、次の措置を講ずるよう強く要望する。

1 消費者・事業者間の情報力・交渉力等の格差を是正し、消費者問題に関する施策の充実につなげるため、国際的にも標準となっている「消費者の権利」を明記すること。
1 消費者被害を効果的に防止・救済しうる消費者団体訴訟制度を導入するために、導入の根拠となる規定を盛り込むこと。
1 消費者政策の推進体制に関する規定について、各省庁に対する勧告等を含め、消費者政策の総合的かつ一元的な体制を設けること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成16年3月24日 

        奈 良 県 議 会
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
経済産業大臣