意見書第4号

意見書第4号

        警察官の増員に関する意見書         

 本県は、法隆寺や東大寺等の世界遺産に代表される歴史的・文化的資源が多く、「国際文化観光・平和県」への着実な進展を目指しているが、治安情勢については、平成10年に刑法犯発生件数が初めて2万件を突破、昨年こそ増加傾向がやや鈍化したものの、最近3年間の平均は3万件を超え、依然厳しい状況にある。
その内容を見ても、企業経営者の反社会的犯罪、模範となるべき人の犯罪、少年犯罪の増加、低年齢化や、来日外国人による犯罪、年少者に対する拉致事件、高齢者を狙った「オレオレ詐欺」など、わが国の社会構造の変質などを反映した新たな脅威が現れている。
また、交通事故情勢については、交通人身事故件数は、昨年、3年ぶりに9千件を下回ったものの、死傷者数は、6年連続で1万人を超え、また、高齢者の死者数は、昨年初めて全体の4割を超えるなど厳しい状況にある。
本県警察では、こうした厳しい治安情勢に対して、治安再生の推進、安全な交通社会の実現に向け、具体的な数値目標を設定し、全警察職員が一丸となって、全力で県民や観光客の安全・安心の確保に努めており、国におかれても、その実情を理解され、4年連続して警察官の増員を認められたところである。
しかしながら、本県警察官の1人当たりの人口負担率は、依然として全国平均を大きく上回っており、引き続き第1線の警察官は厳しい勤務を余儀なくされている。
このような厳しい状況に対応し、県民が犯罪や交通事故に遭うこともなく、観光客が安心して観光できるまちづくりのため、「世界に誇る安全安心の奈良県」の創造に向けて一層の体制強化を図ることが望まれる。
よって、国におかれては、このような本県の実情を十分理解いただき、引き続き本県警察官の増員を図られるよう、強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成16年6月22日 

        奈 良 県 議 会
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
警察庁長官
総務大臣
財務大臣
国家公安委員会委員長

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