意見書第15号

意見書第15号

    地方財政制度の抜本的な改革を求める意見書

 世界同時不況に端を発した経済状況は深刻の度を増しており、地域での雇用確保や社会保障の充実など、地域のセーフティネットとしての地方自治体が果たす役割はますます重要となっている。
 今後、地方の施策を安定的に実現するためには、地方税の充実強化を図るとともに、地方交付税算定において地域の行政需要を適正に反映させるなど、自治体の財政運営に必要な財源を確保することが重要である。しかしながら、現行の地方交付税などによる財政調整制度・財源保障制度では、地方が直面する厳しい財政状況、拡大した地域間財政格差に対応しきれなくなっている。
 一方、国の財政も債務残高の累積など危機的状況にあり、まず国が財政健全化を推進する責務を果たし、持続可能な財政構造を確立する必要があること、そして、それらの取り組みが地方財政の緊縮につながらないようにすることは言うまでもない。さらに、これに呼応する形で地方が財政の自主的な健全化を推進していくことが真に望まれる。
 よって、国におかれては、次の施策を含む地方財政制度の抜本的改革を行うよう強く要望する。

1 厳しい地方の財政状況を踏まえ、住民が必要とする行政サービスを維持するため、地方の財源を安定的に確保すること。

2 地方税財源の充実などを中心に、地域間の格差是正のための施策を積極的に推進すること。

3 財政調整機能と財源保障機能を強化した新たな財政調整制度の創設により、地域間格差の是正を図ること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

   平成22年12月14日

                           奈 良 県 議 会

(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官
総務大臣
財務大臣
国家戦略担当大臣