意見書第4号
行政書士への行政不服申立手続の代理権の付与に関する意見書
1951年の行政書士法施行以来、行政書士は国民と行政との橋渡し役として、その制度は広く浸透しているところである。2008年7月には行政書士法の一部が改正され、行政手続法に係る聴聞または弁明の機会付与の手続き、その他の意見陳述の代理を業務として行えることになり、国民にとって行政手続法を利用しやすい環境が整備されたところである。
しかしながら、行政不服審査法における不服申立手続の代理権については、弁護士のほか、弁理士、税理士、司法書士、土地家屋調査士及び社会保険労務士には付与されているが行政書士には認められておらず、国民の利便性向上の観点からも望ましい状況にはない。
行政書士試験においては、行政手続法や行政不服審査法が試験科目とされており、日本行政書士会連合会は、会員の能力向上のための中央研修所を設置するなど専門性の確保に努めている。
行政不服申立手続の煩雑さやそれに伴う国民の経済的負担を考慮すれば、当該手続への行政書士の参画が必要であり、それにより制度の活用の拡大が図られ、国民の権利行使に大きく貢献するものと期待される。
よって、国におかれては、不服審査手続に係る国民の利便性の向上のため、実体法に精通し専門性を有する行政書士に対して、行政不服審査法に基づく不服申立手続の代理権を付与されるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成23年3月16日
奈 良 県 議 会
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣