意見書第8号
電力需給対策と電力政策に関する意見書
3月11日に発生した東日本大震災に伴い、東北電力・東京電力管内地域は、原子力発電所の停止などにより電力供給が大幅に減少した。さらに、菅直人総理による中部電力浜岡原子力発電所の停止要請により、夏場の電力不足問題は東日本のみならず全国的な問題に発展している。
電力供給力不足は国民生活や日本経済全体に大きな影響を及ぼす。政府は今夏の電力需給対策に加え、将来的な新エネルギー戦略を見据えた施策を速やかに打ち出す必要がある。しかしながら、政府の電力需給対策本部が5月に発表した対策では国民に節電を呼びかけるばかりで、節電のインセンティブが働くような施策が盛り込まれなかった。
夏場の電力不足を前に政府及び国会は、予算措置を含めた電力需給対策を早急に打ち出すべきである。
よって、国におかれては、下記項目について速やかに実現を図るよう、強く要望する。
1 自家発電設備、太陽光発電・蓄電池、太陽熱利用システムの導入補助を大幅に拡充すること。
2 LED照明設備の導入補助や、エコポイント制度の復活等、国民に対して節電のメリットが実感できる施策を早急に実施すること。
3 稼働中の原子力発電所の災害対策について、政府として早急に指針を示し、安全対策を講じること。
4 電力需給の逼迫が長期化することを踏まえた、法制度の見直しや運用改善について早急に検討し、必要な事項を実施すること。
5 原発のない社会を目指し、自然エネルギーの本格的導入等、新たなエネルギー政策を定めること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成23年7月4日
奈 良 県 議 会
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
国家戦略担当大臣
経済産業大臣
原発事故の収束及び再発防止担当大臣