意見書第9号
台風12号による災害対策に関する意見書
本年9月に来襲した台風12号は、本県に記録的な豪雨をもたらし、特に南部地域では、土砂災害、河川の氾濫などが相次ぎ、多数の尊い人命が奪われ、多くの住民が未だに行方不明となっている。
さらに道路を初めとするライフラインの寸断、土砂ダムの発生によって、今なお多くの住民が避難を強いられ、不自由な生活を余儀なくされ、農林水産業、商工業などでも甚大な被害が出るなど、未曾有の大災害となった。
また、近年山林の荒廃が森林保水力を低下させ、そのことが大規模な山の崩落と予想を越える河川の氾濫に繋がったと考える。
県及び市町村は、自衛隊等の協力を得て、行方不明者の捜索・救助を最優先に、孤立集落の解消、避難者への支援、土砂ダムによる二次災害防止及びその早急な解消をはじめ、ライフラインの一刻も早い復旧に向け最大限の努力をしているところである。
激甚災害の指定はなされたものの、災害復旧、被災者支援には膨大な経費、労力、専門的知識が必要であることから、国におかれては、未だ全容が把握できないほど甚大な被害の実態を踏まえ、次の事項について全力で取り組まれるよう強く要望する。
1 土石流の発生が懸念される土砂ダムの早期解消に向けて支援すること。
2 住民の命の道である国道168号、169号等の幹線道路の復旧・復興に向けて支援すること。
3 被災者生活再建支援制度を拡充し、被災者の生活支援を迅速かつきめ細やかに図ること。
4 公共土木、農林水産、教育関係施設など各種災害復旧事業の早期採択を図ること。
5 国の第3次補正予算等により復旧、復興にかかる早期の予算措置を講ずること。
6 災害復旧事業に係る特別交付税の重点配分等の財政措置を図ること。
7 被災地域の中小企業者に対する金融支援を図ること。
8 土砂災害のメカニズムを解明し、土砂災害対策及び総合的な治山・治水対策を推進すること。
9 大規模土砂災害に強い道路や河川の整備を推進すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成23年9月22日
奈 良 県 議 会
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣
農林水産大臣
経済産業大臣
国土交通大臣
内閣官房長官
国家戦略担当大臣
防災担当大臣