意見書第11号
学校施設における防災機能の整備の推進を求める意見書
これまで学校施設は、大規模地震や豪雨等の非常災害時には、地域住民の防災拠点として中心的な役割を担ってきた。
先の東日本大震災においても、多くの被災住民の避難場所として利用されるとともに、必要な情報を収集し、また発信する拠点になるなどの役割を果たし、その重要性が改めて認識されている。しかし、一方で多くの学校施設において、備蓄倉庫や自家発電設備、緊急通信手段などの防災機能が十分に整備されていなかったため、避難所の運営に支障をきたすなどの問題も浮き彫りになった。こうした実態を踏まえ、現在、避難所として有すべき学校施設の防災機能のあり方について、喫緊の見直しが求められている。
国は、学校施設の耐震化及び老朽化対策等については、地方自治体の要望にこたえ、毎年予算措置等を講ずるなど、積極的な推進を図っているが、本来これらの施策と並行して全国的に取り組まなければならない防災機能の整備向上については、十分な対策が講じられていない。
よって、国におかれては、大規模地震等の災害が発生した際の国民の安全な避難生活を提供するために、防災機能の一層の強化が不可欠であるとの認識に立ち、次の事項を早急に実施するよう強く要望する。
1 公立学校施設を対象として、避難所として備えるべき、必要な防災機能の基準を作成するとともに、先進的な取り組み事例を収集し、あわせて地方自治体に対し、その周知徹底に努め、防災機能の整備向上を促すこと。
2 公立学校施設を対象として、防災機能の整備状況を適宜把握し、公表すること。
3 公立学校施設の防災機能向上に活用できる国の財政支援制度に関して、地方自治体が利用しやすいよう、制度を集約し、窓口を一元化すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成23年10月12日
奈 良 県 議 会
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
文部科学大臣