意見書第12号

意見書第12号

              「防災・減災ニューディール」による社会基盤再構築を求める意見書

 1960年代の高度経済成長期から道路や橋梁、上下水道など社会資本の整備が急速に進みました。高度経済成長期に建設されたものは現在、建設後50年を迎え、老朽化が進んでいます。国土交通省の「道路橋の予防保全に向けた有識者会議」は提言(平成20年5月)の中で、「2015年には6万橋が橋齢40年超」となり、架設後50年以上の橋梁は2016年には全体の20%、2026年には同47%と約半数にも上る現状を提示。経年劣化により「劣化損傷が多発する危険」を指摘しています。今後、首都直下型地震や三連動(東海・東南海・南海)地震の発生が懸念される中で、防災力の向上の観点からも社会インフラの老朽化対策は急務の課題と言えます。
 災害が起きる前に、老朽化した社会資本への公共投資を短時間で集中的に行うことによって、全国で防災機能の向上を図ることができます。と同時に、それは社会全体に需要を生み出すこともできます。つまり、防災・減災と経済活性化をリンクさせた諸施策の実施が可能なのです。
 一方、景気・雇用は長引くデフレと急激な円高によって極めて厳しい状況が続いており、そのために必要な政策が需要の創出です。そこで、公共施設の耐震化や社会インフラの再構築が、雇用の創出に必要な公共事業として潜在的需要が高くなっていると考えます。
 よって、政府におかれては、国民と日本の国土を守り、安全・安心な社会基盤を再構築するため、防災・減災対策として公共事業を緊急かつ集中的に行い、経済の活性化や雇用創出に資する防災対策の実施を強く求めます。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

   平成24年7月3日
                           奈 良 県 議 会 

(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣
国土交通大臣