平成17年度実施「合同現地調査」の実施結果


更新日:平成17年11月22日



■平成17年度実施「合同現地調査」の実施結果について


 奈良県では、県内に生きている野生動植物のなかに、どのような、珍しい生き物や大切にすべき生き物がいるのかの調査をしているところです。

 平成17年度に策定委員・分科会委員の方々を中心にして、曽爾村のお亀池を含む曽爾高原周辺で「合同現地調査」を実施しました。その結果をとりまとめましたので、お知らせします。


<実施内容>

1)調査場所 曽爾高原・お亀池周辺
2)調査日時 平成17年6月18日(土)9時30分~22時
3)調 査 者 各分科会委員 ほか調査協力者  計 12名
4)調査方法 踏査による目視観察、必要に応じ網等による捕獲・採寸等


<調査場所選定理由>

 当地は、ウォーキング等で年間32万人(平成15年度調べ)が訪れており、県民に親しまれた場所である。その一方で、平成13年度に環境省によって、希少種、固有種等が生息・生育しているという基準に従い「日本の重要湿地500」にも選定されているところである。


<結果概要>

1)哺乳類
 コウモリ類を対象にカスミ網、モグラ類を対象にピットホールトラップ、ネズミ類を対象にはじき罠などを設置した。
 亀山の登山道沿いを中心にニホンジカの足跡や、林縁部や草原部にモグラ類の坑道が確認されたが、コウモリ類を含めて捕獲はできなかった。

2)両生・爬虫類
 お亀池を中心に、両生・爬虫類全般を対象にタモ網等を用いて捕獲、採寸を実施した。
 アオダイショウ、ニホンカナヘビ、トノサマガエル、ニホンアマガエル、シュレーゲルアオガエルなどを捕獲・採寸した。

3)植物
 植物全般を対象に、剪定バサミ、根掘り等を用いて採取した。
 お亀池では、サギスゲ、ミズチドリといった全国的あるいは近畿地方で希少な種のほか、サワギキョウ、モウセンゴケ、カキランなど特徴的な種を中心に20種程度確認した。
 周辺の草地では、カノコソウ、フナバラソウといった全国的あるいは近畿地方で希少な種のほか、チダケサシ、ササユリなど特徴的な種を中心に50種程度確認した。

4)昆虫類
 当地一帯で、昆虫類全般を対象に捕虫網等、地表徘徊性昆虫を対象にピットホールトラップ、夜行性昆虫を対象にライトトラップを設置して、捕獲した。
 ムネアカセンチコガネ、ヒメビロウドカミキリなど希少な種のほか、シマゲンゴロウなど湿地特有の種などを中心に50種程度確認した。

<調査風景写真>

okameike kameyama

●お亀池全景

●亀山全景

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●奈良県森林保全課長補佐挨拶

●調査風景(植物:目視観察)

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●調査風景(両生・爬虫類:採取中)

●調査風景(昆虫類:採取中)

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●ピットホールトラップ設置状況

●はじき罠設置状況

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●ライトトラップ設置状況

●調査風景(両生類:計測中)

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●シュレーゲルアオガエル

●サギスゲ