意見書第15号

意見書第15号

        「森林・林業再生プラン」に係わる具体的政策の推進を求める意見書

  2009年12月に政府が策定した「森林・林業再生プラン」は、「10年後の木材自給率50%以上」を目指すべき姿として掲げ、森林の多面的機能の確保を図りつつ、人工林資源を積極的に活用して、木材の安定供給体制の確立、雇用の増大を通じた山村の活性化、木材利用を通じた低炭素社会の構築を図ることとしており、現在、国・地方をあげて、森林・林業の再生と地域活性化に向けた取り組みを進めている。
  一方、今年7月の九州北部豪雨被害、8月の近畿豪雨被害をはじめ、近年梅雨や台風時の豪雨による山腹崩壊や流水発生による災害が相次いでおり、原因としては、第一義的には局地的な集中豪雨が挙げられるが、杉、桧の人工林の間伐が適切に施工されず放置され、表層土壌の流出を防ぐ森林機能が低下したためと考えられる。したがって、豪雨被害対策としても、「森林・林業再生プラン」に基づく森林の多面的機能の持続的発揮と有効活用が重要であるといえる。
  そこで、「森林・林業再生プラン」に基づく具体的な施策を強力に推進するため、以下の事項の実施を強く要望する。

                                      記

1 市町村森林整備計画及び森林経営計画の作成・実行を促進すること。
2 条件不利地域などの森林整備が進まない森林については、水源林造成事業等の公的森林整備を進めるとともに、国、地方公共団体による林地取得等を行うこと。
3 「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」を活用した木質バイオマス利用の拡大を図ること。
4 間伐材を含む地域材の需要拡大対策、住宅や公共建築物等への木材利用の推進対策を講じること。
5 「フォレスター」「森林施業プランナー」の育成・確保など森林・林業の担い手対策の拡充を図ること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

   平成24年10月9日

                           奈 良 県 議 会 
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
農林水産大臣
経済産業大臣
環境大臣
内閣府地域活性化担当大臣

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