意見書第19号

意見書第19号

     民意を反映した衆議院選挙制度への改革を求める意見書

 現在の衆議院選挙制度は小選挙区を中心とした制度であるが、2009年の衆議院選挙で最大2.30倍となった「一票の格差」が違憲状態であると最高裁で判断されたことをはじめ、「死票」が多いこと、少数意見が反映されず大政党に有利に働くことなど問題点が多く、民意を正確に反映しないという致命的な欠陥をもった制度である。
 直近2回を見ると、2005年総選挙では自民党が47.8%の得票で73%の議席を獲得、09年総選挙では民主党が47.4%の得票で73.7%の議席を獲得し、議席に結びつかない「死票」は、05年で3,300万票(有効投票数の48.5%)、09年は約3,270万票(同46.3%)となっている。
 小選挙区制度を推進した当事者からも、「今日の状況を見ると、それが正しかったか忸怩たるものがある。政治劣化の一因もそこにあるのではないか。政党の堕落、政治家の資質の劣化が制度によって起きた」(河野洋平元自民党総裁、「朝日」昨年11月8日付)、「小選挙区制度により、総選挙の結果が一方の政党に偏り過ぎる傾向があります。落ち着いた政治にならないといけない」(細川護煕元首相、「朝日」昨年9月19日付)「政治の劣化をもたらす要因は、いろいろとあると思いますが、根本的には小選挙区制に原因があると思っています(森喜朗元首相、「自由民主」昨年11月22日付)と制度の問題点を受け止めた所感が述べられている。
 よって、政府におかれては、中選挙区制度も含め、比例代表を中心とした民意を反映した選挙制度へ改革することを求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 
 平成24年12月14日

                           奈 良 県 議 会

(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣

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