管理組合の財務について

1 管理組合の運営
(5)管理組合の財務について

Q1  管理費はどのように使われているのですか。
A1  管理会社に委託している場合と自主管理の場合には違いがありますが、主な支出科目としては、共用部分の公共料金、営繕費(電灯取替え費、小修繕費、貯水槽清掃費、雑排水管清掃費、植栽剪定・消毒費など)、組合運営費(理事会・総会運営費、通信・運搬費、交通費、印刷費、事務消耗品費、広報費、役員報酬など)、保険料などがあります。

 

Q2  管理費と修繕積立金の設定の仕方とその違いについて教えてください。
A2  各管理規約に各戸の支払うべき金額とその根拠が明記されているはずですが、標準管理規約では、設定の仕方として各区分所有者の共用部分の共有持分に応じて算出するものとしています。
 管理費は共有部分の維持・管理に必要な1年間分の費用であり、修繕積立金は将来の修繕(計画修繕、共用部分の変更、大規模修繕)等の工事のために積み立てておく費用です。

 

Q3  管理費等はどのようにして集めればよいですか。
A3  管理組合の会計における収入は、管理費と特別修繕費(修繕積立金)、駐車場等の使用料があります。
 それらの徴収の仕方については、特に規定はありませんが、最近は管理組合の預金口座に各組合員の口座から自動振替するのが普通です。
 なお、一旦納入した管理費・使用料については間違いがあったとき以外は返還できないこととしており、修繕積立金についても、管理組合の財産として管理組合に帰属することから、修繕工事以前に転出しても返還は受けられません。

 

Q4  修繕積立金は必ず必要ですか。
A4  修繕積立金については、将来、修繕工事が発生するという意味で必要なものであり、最近では原始管理規約(分譲時にあらかじめ設定されている規約)でも修繕積立金が設定されるようになりました。
 積立金の額については、平成11年度に国が行ったマンション総合調査によると戸あたり月額平均で7,378円となっており、財団法人マンション管理センターによるシュミレーションでは平均8,750円となっています。ただし、これらはあくまでも目安であり、実際の長期修繕計画に基づいて算出してください。
 また、積立金を値上げする場合は総会決議(普通決議)が必要であり、長期修繕計画に基づき、現在のままでは不足することをわかりやすく示していくことが重要です。

 

Q5  決算報告書について教えてください。
A5  決算報告を大別すると、日常の維持管理及び組合運営に関する一般会計決算報告書(管理費関係)と将来のための長期修繕計画に関する修繕積立金会計決算報告書の2つがあります。管理組合の決算報告書の作成は企業会計に沿って複式簿記で行うのが通常のやり方です。
 一般会計では、まず収支報告書が必要です。収支報告書は収入の部と支出の部を項目ごとに明記し、予算と実績及びその差額がわかるようにします。その際、貸借対照表(バランスシート)をつけます。また、一般会計と同様に修繕積立金会計も作ります。
 その他に財産目録と備品一覧表があれば十分です。
 決算報告書の資料としては、金融機関の残高証明書や保険証券(写し)等があります。

 

Q6  損害保険には入った方がよいですか。
A6  一般的に共用部分に起因する事故は管理組合の責任が問われ、物にかかわる危険と他人にかかわる危険が考えられます。
 管理組合が共用部分を円滑に管理・運営していくためには、これを脅かす種々のリスクによる事故発生の防止や、発生する損害の軽減に努めるとともに、損害保険に入っておく必要があります。
 標準管理規約の中でも、共用部分にかかる損害保険の付保を明記しています。

 

 

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