管理費等の滞納について

1 管理組合の運営
(6)管理費等の滞納について

Q1  管理費等の滞納者への対応はどのようにしたらよいですか。
A1  法的手続きをとる場合とそれ以前にすべきことがあります。
 また、管理会社に管理委託している場合も最終的な責任は管理組合にあります。いずれにしても大事なことは督促することではなく、回収することですので、滞納の原因や実情を正確に把握し、問題点に応じた督促をすることが必要です。
 特に滞納者本人が行方不明の場合の調査方法としては、居住者名簿に基づく家族等の所在確認や交際のあった住民からの聞き取る他、法務局で不動産登記簿を閲覧し、抵当権の設定条件等から経済的な状況を把握することなどが考えられます。

 

Q2  管理費等滞納者に対し法的手続き以前にすべきことはどのようなことですか。
A2  原則は滞納者を早く発見して対応することです。毎月の滞納状況を管理会社から貰い、管理会社での督促状況を確認します。
 自主管理の場合には、会計担当理事が毎月の滞納者リストをつくり、理事長は定期的にそれらの報告を受けて、早期の滞納者把握に努めるべきです。
 電話や訪問等による督促、滞納額等を含めた滞納の事実を認める旨を記した「承認書」を貰うこと(時効の中断効果があります)など様々な方法が考えられます。そうした督促にもかかわらず、支払いがなされない、あるいは連絡がつかないといった場合には、配達証明付きの内容証明郵便を出し、その書面には債務と規約の内容等を明記するとともに、支払わない場合には法的手段をとる意思がある旨を示します。

           

Q3  管理費等滞納者に対する法的手段にはどのような方法がありますか。
A3  最終的には訴訟提起になりますが、その前に比較的簡単に利用できる制度として、調停、少額訴訟制度、支払督促等といった制度があります。
 少額訴訟制度は30万円までの滞納額について利用でき、支払督促については30万円以上でも利用できます。裁判所によって異なりますが申し立てから2週間程度で支払い督促が出されます。ただし、相手が行方不明の場合は利用できません。なお、これらについては、調停制度も含め簡易裁判所の受付相談センターにおいて申立手続き等の相談に応じています。
 これら簡易な制度によっても解決困難な場合は、弁護士に相談し、申し立て金額が90万円以下の場合には簡易裁判所、90万円を超える場合には地方裁判所に提起します。

 

Q4  管理費等の滞納のある物件が競売にかけられたときはどうしたらよいですか。
A4  区分所有法では、管理費等の滞納分の費用は新しい所有者に請求することができるようになっています。しかし、競落人が認知していないと支払いに支障をきたす可能性がありますので、念押しのために裁判所に配当要求や上申書を提出しておくとよいでしょう。

○配当要求
 買受人(競落人)が納付した代金の中から管理組合に配当を要求する手続き。時効を中断する効果をもつ。
 抵当権がついている場合には抵当権付きの債権より配当順位が後順位となる。
○上申書
 裁判所に上申する書面。競売にあたって裁判所が作成する書類に、滞納管理費等があり、それは買受人(競落人)が負担するものであることを記載するよう注意を喚起し、職権の発動を促す意味がある。ただし、上申書の提出だけでは時効の中断効果にならない。

 

Q5 滞納を防止する手段を教えてください。
A5  いろいろな手段を複合してとる必要がありますが、主なものを以下に列挙します。
 (ア)滞納者リストを作成する、(イ)管理費等の支払い期日、支払い方法の定めをおく、(ウ)遅延損害金の定めをおく、(エ)駐車場利用契約解除の定めをおく、(オ)弁護士費用を請求できる旨の定めをおく、(カ)滞納督促のルールを決めておく

 

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