2 日常生活に係るトラブルとその対処
(5)マンションにおける事故について
Q1 |
水漏れ事故が発生したのですが、どのように対応したらよいですか。 |
A1 |
専有部分内で居住者の過失により上階から下階へ水漏れ事故が発生した場合は、当事者同士の話し合いにより解決してもらいます。しかし、水漏れ箇所が不明の場合は、原因が専有部分にあるのか共用部分にあるのかを調査して特定する必要があります。
原因が共用部分にある場合は管理組合の責任において水漏れ箇所の修理をするとともに、損害賠償責任を負うことになります。この事故が給排水管の欠陥または老朽化によって発生し、その原因箇所が専有部分か共用部分かのどちらにあたるかはっきりしない場合や、原因箇所がどこにあるかわからない場合は、共用部分に瑕疵があると推定します。
なお、設備の欠陥が明らかに売買契約上に基づく瑕疵と認められる場合は、マンション売主の責任になります。 |
Q2 |
外壁のタイルがはがれて落下し人に怪我を負わせてしまいました。責任は誰にあるのですか。 |
A2 |
外壁は共用部分であり、共用部分の管理は管理組合が行うべきものです。
その管理に落ち度があったり、また仮に落ち度がなく、危険性が予見できなかった場合でも、外壁やタイルが剥がれ落ちて、人に怪我を負わせたり、物を壊してしまった場合には管理組合が責任を負うことになります。
*マンション管理組合が付ける保険((財)マンション管理センターQ&A参照) |
Q3 |
マンション敷地内での事故が起きた場合、どのような対応をとったらよいですか。 |
A3 |
どのような事故なのかを把握し、整理することが必要です。
事故の責任を問われるのは、事故の原因をつくった者です。
例えば、マンション敷地内で工事中の業者が危険を予測して事故防止策をとっていなかったために起きた事故の責任はその施工業者にあります。また、敷地内での自動車交通事故などは当事者間の問題となります。
管理組合が責任を負わなければならないのは、共用部分に事故の発生原因がある場合です。しかし共用部分であっても、バルコニーに置いてあった植木鉢や物干し竿の落下事故などは当事者間の問題となるのが一般的です。 |
Q4 |
防犯対策のため、管理組合で全戸の玄関扉錠をピッキングに強い錠に取替えたいと思いますが、取替えの負担をどのように考えたらよいですか。 |
A4 |
玄関扉は共用部分ですが専用使用権が認められており、錠と扉の内部塗装部分を専有部分としているのが一般的な考え方です。
従って、原則的にその取替えの費用は各区分所有者の負担となります。
しかし、管理組合が玄関扉と錠は構造上一体となったものと考え、共用部分の管理とする必要があると判断し、全戸一斉に錠を取り替えようとする場合は、管理規約に定めがあれば管理組合の負担とすることができます。ただし、この場合は集会の決議が必要となります。 |