意見書第3号
奈良県五條市への陸上自衛隊駐屯地の誘致推進に関する意見書
奈良県南部地域は、全国有数の豪雨地帯であり、平成23年9月初旬の紀伊半島における集中的な豪雨により、大規模な土砂の崩落による河道閉塞や道路崩壊、河川の増水による橋梁の崩落などの災害が発生し、死者14名、行方不明者10名、家屋全壊49戸、半壊71戸という甚大な被害をこうむった。
また、今後30年以内の地震発生確率は東南海地震で70%、南海地震で60%とされているが、震度は南部の山間地域が最も大きいと予測され、甚大な被害をもたらすとともに斜面災害等による道路の通行止を原因とする孤立化が懸念されている。
このような甚大な自然災害が発生する危険性が高い状況の中、災害救援については奈良県には陸上自衛隊の駐屯地がないため、京都府南部の大久保駐屯地からの災害派遣を待つことになるが、県内全域で災害により道路網が寸断された場合等は県南部地域への派遣は相当な時間がかかり、県民の生命、身体及び財産を守るための対応が即座にできないと予想される。全国の都道府県の中で、陸上自衛隊の駐屯地がないのは奈良県のみであり、県南部に位置する五條市への陸上自衛隊の配置が必要不可欠であると考える。
なお、先の紀伊半島における集中的な豪雨による災害の際には、自衛隊から延べ一万一千人あまりが派遣され、行方不明者の救出活動や救援物資輸送、道路啓開、給水支援等にあたって頂いたが、自衛隊駐屯地の存在は災害への強固な備えとしてさらに県民に大きな安心感をもたらすものと考える。
以上のことから、国に対し陸上自衛隊駐屯地の奈良県五條市への配置を実現するよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年3月25日
奈 良 県 議 会
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官
防衛大臣