意見書第14号
若い世代が安心して就労できる環境等の整備を求める意見書
ライフスタイルの多様化や少子高齢化により、若い世代の働き方や暮らし方が変化しています。非正規労働者や共働き世帯が増えた今、若い世代が本来望んでいる仕事と生活の調和が崩れ、理想と現実のギャップに悩む人が少なくありません。
中でも、働く貧困層といわれるワーキングプアから抜け出せずに結婚を諦めざるを得ない若者の増加や、仕事と子育ての両立に悩む女性の増加、正規雇用でありながら過酷な労働環境のため働き続けることができない若年労働市場の実態など、今の若い世代を取り巻く問題は多岐にわたり、年々深刻さを増しています。今こそ国を挙げて、若い世代が安心して就労できる環境等の整備が求められています。
よって政府においては、若い世代が仕事と生活の調和を保ち、安心して働き続けることができる社会の実現をめざし、一層の取り組みを進めるべく、次の事項について適切に対策を講じるよう強く求めます。
一 世帯収入の増加に向けて、政労使による「賃金の配分に関するルール」作りを進めること。また、正規・非正規間の格差是正、子育て支援など、総合的な支援を行うとともに、最低賃金引き上げに向けた環境整備を進めること
一 労働環境が悪いために早期に離職する若者も依然として多いことから、若年労働者に劣悪な労務環境下で仕事を強いる企業に対して、違法の疑いがある場合等の立入調査の実施や悪質な場合の企業名の公表などを検討し、対策を強化すること
一 個人のライフスタイルに応じた多様な働き方を可能とするために、短時間正社員制度、テレワーク、在宅勤務などの導入を促進すること
一 仕事や子育て等に関する行政サービスについて、若者支援策がより有効に実施・活用されるよう、利用度や認知度の実態を踏まえ、必要な運用の改善や相談窓口等の周知、浸透等に努めること
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成25年10月7日
奈 良 県 議 会
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官
厚生労働大臣
経済産業大臣
女性活力・子育て支援担当大臣