意見書第3号
過労死防止基本法の制定を求める意見書
「過労死」が社会問題となり、「karoshi」が国際語となってから四半世紀が経とうとしている。過労死撲滅の必要性が叫ばれて久しいが、過労死が労災であると認定される数は増え続けており、過労死は「過労による自殺」も含めて広がる一方である。突然大切な肉親を失った遺族の経済的困難や精神的悲哀は筆舌に尽くし難いものがあり、また、まじめで誠実な働き盛りの労働者が過労死・過労による自殺で命を落としていくことは、我が国にとって大きな損失と言わなければならない。
労働基準法は、労働者に週40時間、一日8時間を超えて労働させてはならないと定め、労働者が過重な長時間労働を強いられることを禁止して、労働者の生命と健康を保護することを目指しているが、当核規制が機能していないのが現状である。
昨今の雇用情勢の中、労働者は、いくら労働条件が厳しくても、使用者にその改善を申し出るのは容易ではない。又、個別の企業が、労働条件を改善したいと考えても、厳しい企業間競争とグローバル経済の中、自社だけを改善するのは難しい面がある。
このように、個人や家族、個別企業の努力だけでは限界がある以上、国が法律を定め、総合的な対策を積極的に行っていくことが必要である。
よって、国においては、上記の内容を踏まえ、次の内容を盛り込んだ「過労死防止基本法」を一日も早く制定するよう要望する。
1 過労死を無くすための国・自治体・事業主の責務を明示すること。
2 国は、過労死に関する調査・研究を行うとともに、総合的な対策を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成26年3月25日
奈 良 県 議 会
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官
厚生労働大臣
経済産業大臣