意見書第7号

意見書第7号

 少人数学級の推進などの定数改善と義務教育費国庫負担制度2分の1復元を求める意見書

   日本は、他のOECD諸国に比べて、学校における一学級当たりの児童生徒数や教員一人当たりの児童生徒数が多い状況にある。
   今日の社会状況等の変化により、学校では、一人ひとりの子どもに対するきめ細かな対応が必要となっている。また、新しい学習指導要領により、授業時間や指導内容が増加しているだけではなく、いじめ、不登校など生徒指導の課題や日本語指導などを必要とする子どもたちや障害のある子どもたちへの対応等の課題の解決のために、少人数学級の推進などの計画的な改善が必要である。文部科学省が実施した「今後の学級編制及び教職員定数に関する国民からの意見募集」では、約6割が「小中高校の望ましい学級規模」として、26人~30人を挙げていることから、国民は30人以下学級を望んでいることが明らかである。
 35人以下学級への拡充については、小学校1年生、2年生と段階的に実施されてきたが平成25年度から予算措置が拡充されていない状況にある。また、三位一体改革により、義務教育費国庫負担制度の国庫負担割合が2分の1から3分の1に引き下げられた結果、地方自治体財政が圧迫され非正規教職員も増えている。
 このような中、いくつかの地方自治体では、少人数学級が必要であると判断して、厳しい財政状況の中、独自財源による30人~35人以下学級への措置が行われている。
 全国どこに住んでも、子どもたちが一定水準の教育を受けられることは憲法上の要請である。子どもの学ぶ意欲・主体的な取り組みを引き出す教育の役割は重要であり、そのための条件整備が不可欠である。国は施策として必要な財源を措置する必要がある。
 よって、政府に対して次の事項を強く要望する。

1 ゆたかな教育環境を整備するため、少人数学級を推進すること。具体的学級規模は、他のOECD諸国並みの30人以下とすること。
2 教育の機会均等と水準の維持向上をはかるため、義務教育費国庫負担制度の国庫負担割合を2分の1に復元すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成26年7月4日
         奈 良 県 議 会

(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官
財務大臣
文部科学大臣