意見書第9号

意見書第9号

   雇用の安定を求める意見書

 国民にとって、働くことは、生活の糧を得るだけでなく、生きがいであり、憲法に保障された国民の権利であることから、雇用を安定させることは国の重大な責務の一つである。
 政府は、少子高齢化が進み人口が減少する中、日本経済を再生し、我が国の経済社会を持続可能なものとしていくための成長戦略において、人材こそが日本が世界に誇る最大の資源であるとの観点から、「世界トップレベルの雇用環境」を実現し、産業競争力を強化することとしている。このため、従来の日本的雇用システムを抜本的に変革し、柔軟で多様な働き方ができる社会、企業外でも能力を高め、適職に移動できる社会、全員参加により能力が発揮される社会を実現し、日本の強みとグローバル・スタンダードを兼ね備えた、新たな日本的就業システムを目指している。
 一方、いわゆる「ブラック企業」問題に象徴される長時間労働や過重労働などによる過労死が社会問題となっている中、労働者を保護するルールの一層の推進を求める声がある。
 よって、国においては、雇用の安定を図るため、次の事項を実施するよう強く要請する。

1 労働規制の緩和に当たっては、雇用の安定の観点に重点を置き、慎重な対応をすること。
2 派遣労働者のキャリアアップや直接雇用の推進を図り、雇用の安定と処遇改善に向けた措置を講ずること。
3 「ブラック企業」に対する実効性ある対策を講じるとともに、学校における職業教育、進路指導、職業相談等の就労支援を拡充すること。
4 成長分野の産業育成を図り雇用を創出すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成26年7月4日
         奈 良 県 議 会

(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官
文部科学大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣
内閣府特命担当(規制改革)