意見書第17号

意見書第17号

   山村振興法の延長と施策の拡充を求める意見書

 山村における経済力の培養と住民の福祉向上、地域格差の是正と国民経済発展に寄与することを目的に1965年に制定された「山村振興法」に基づき、国による山村への政策支援が行われ、山村地域は国土・自然環境の保全、水源涵養、地域温暖化防止等、多面的・公益的な役割を果たしてきた。
 しかし、山村地域は農林業の低迷や就業機会の減少、過疎化・高齢化の進行に伴う集落機能の低下などにより、依然として厳しい環境が続いている。こうした中で山村振興法の期限を2015年3月末に迎えるが、山村地域の現状と果たす役割の重要性を踏まえ、地域振興・地域林業の確立に向け、国は同法を延長し万全の対策を講じる必要がある。
 また、地球温暖化防止森林吸収源対策に係る安定的な財源の確保や、森林施業の集約化促進に対する更なる支援策の実施などにより「森林・林業基本計画」の推進を図ることも欠かせない。
 よって、政府におかれては、次の事項を実施されることを要望する。

1 山村振興法の延長及び内容の拡充を図ること。延長に当たっては都市と山村の格差是正を主眼とした対策に加え、山村地域が果たす多面的機能の発揮に係る国としての責務を明確にすること。また、山村振興の目標に、林業・木材産業の振興による地域資源を活用した地域林業の確立、就業機会の拡大と定住の促進を盛り込み、その達成に必要な施策を講じること。

2 森林・林業基本計画に基づく森林・林業の再生と整備、森林の多面的機能の持続的発揮に向け、「地球温暖化対策のための税」の使途に森林吸収源対策を追加するなど安定的な財源確保に努めること。また、森林情報の収集や境界確認、合意形成、路網整備、林業の機械化、不在村者対策などの集約化施業の促進に対する更なる支援を図ること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成26年12月12日
         奈 良 県 議 会

(提出先)衆議院議長
     参議院議長
     内閣総理大臣
     内閣官房長官
              財務大臣
     農林水産大臣
     環境大臣
     地方創生担当大臣

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