意見書第8号
沖縄県での米軍属による女性死体遺棄事件に関する意見書
本年4月28日から行方不明となっていた沖縄県うるま市在住の20歳の女性会社員が5月19日に遺体となって発見され、元米海兵隊員で米軍属の男が死体遺棄容疑で逮捕された。その後、容疑者は暴行と殺害についても供述しているとされ、女性の御両親は「一人娘は、私たちにとってかけがえのない宝物でした」「今はいつ癒えるのかも分からない悲しみとやり場のない憤りで胸が張り裂けんばかりに痛んでいます」と沈痛な心境をあらわされたと報道で伝えられている。
再び痛ましい事件が惹起された。本年3月には那覇市で女性観光客が米軍兵士によって暴行される事件が起こったばかりである。
1995年に米兵3人が少女を拉致して集団暴行するという事件が発生し、沖縄県民の怒りが爆発して全県的な抗議集会が行われた。日米両政府は事件・事故が起こるたびに「綱紀粛正」「再発防止」を繰り返してきたにもかかわらず、あれから20年、何も変わっていないと沖縄県民は憤りをあらわにしている。私たちは、今なお沖縄県民が米軍と米軍基地に対する不安と恐怖のもとで生活していることに思いを馳せなければならない。
よって、国におかれては、当該事件の御遺族並びに沖縄県民の心情を重く受けとめ、次の事項について実行されるよう強く求めるものである。
1 日米両政府は被害者家族などへの謝罪を行うこと。
2 真実を究明し、加害者が厳正に処罰されること。
3 今までの「綱紀粛正」「再発防止」では、もはや解決できない。日米両政府は、沖縄県民が納得できる抜本的
解決策を示すこと。
4 沖縄県に74%の米軍基地が集中していることに根本的な原因があることに鑑み、その解決を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成28年6月21日
奈良県議会
(提出先) 衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官
防衛大臣