意見書第9号
性犯罪等被害者のためのワンストップ支援センターの設置等を求める意見書
性犯罪、性暴力被害者にあっては、被害者の個人の尊厳が害され、被害者が自らを個人として尊重されるべき存在であると認識することが困難になる等重大で深刻な被害が生じます。同時に、被害者がその被害の性質上、支援を求めることが難しく、事件として顕在化するものは氷山の一角に過ぎません。
性犯罪、性暴力被害の特殊性、深刻性に鑑み、性犯罪等被害者のためのワンストップ支援センターを各都道府県に最低一箇所は設置し、被害者が被害を受けたときから直ちに必要十分な支援を受けることができるようにすべきです。
よって本議会は、政府に対し、性犯罪等被害者のためのワンストップ支援センターの設置の支援を含め、次の事項を含む施策の早急な実施を要望します。
1 性犯罪等被害者のためのワンストップ支援センターの設置を都道府県に義務付けることを内容とする法律を早急に
制定すること。
2 24時間体制のワンストップ支援センター設置や全国共通番号の相談電話窓口の設置など性犯罪等被害者支援のため
の施策を総合的に策定し、必要な財政上等の措置を講ずること。
3 ワンストップ支援センターへの援助などを定める性犯罪等被害者支援基本計画を策定すること。
4 3の基本計画の策定をはじめ関連する施策の立案においては、性犯罪等被害者、その支援者などがその立案過程に
参加し実態に即した形で行われるようにすること。
5 都道府県による性犯罪等被害者支援計画の策定を支援すること。
6 性犯罪等被害者の状況、政府が講じた性犯罪等被害者支援施策の実施の状況に関する報告書を公表すること。
7 ワンストップ支援センターに対する財政上の援助など支援体制を整備すること。
8 刑法強姦罪の適切な見直しを行うとともに、刑事手続きにおける被害者の負担を可能な限り軽減する方策、未成年
者に対する性犯罪に係る公訴時効について検討を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成28年6月21日
奈良県議会
(提出先) 衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官
厚生労働大臣
内閣府特命担当大臣(少子化対策、男女共同参画)