◆ 諮 問 「特定病院における電子カルテを閲覧した日時及び利用者氏名(特定日から
特定日まで)」の部分開示決定に対する異議申立て
(諮問第70号)
◆ 諮問実施機関 公立大学法人 奈良県立医科大学(病院経営部経営企画課)
◆ 事案の経過 (1)開示請求 平成26年12月 5日
(2)決定 平成26年12月19日付けで部分開示決定
(3)異議申立て 平成27年 1月19日
(4)諮問 平成27年 2月 5日
(5)答申 平成28年 7月20日
◆ 諮問に係る不開示部分
利用者氏名
<不開示理由>
条例第14条第7号に該当
開示することにより、当院の診療業務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるため
◆ 審議会の結論
実施機関の決定は妥当である。
<判断理由>
医療機関における診療行為については、患者に対し診療内容を十分説明し、患者との信頼関
係を構築することが重要とされている。複数の診療科を有する医療機関においては、様々な診
療科の医師や看護師等が電子カルテを閲覧する場合があり、閲覧記録を開示した場合、個々の
閲覧の理由について患者が疑問を持つことが考えられ、さらに、患者の中には自己の病状につ
いて不安を抱きながら受診している者も存在すると考えられ、閲覧記録について医療機関が十
分な説明を行ったとしても、必ずしも理解が得られない場合が想定されるところであり、ひい
ては、患者との信頼関係を構築する上で悪影響を及ぼすおそれがあることは否定できない。
県が保有する個人情報が電磁的記録として保管及び利用されている場合、その閲覧記録は、
本人が自己情報の利用状況を知りうる情報であることから、開示請求がなされた場合は、原則
として開示されるべき情報であると考えられる。しかしながら、本件個人情報は、医療機関に
おける診療業務に係る情報であり、診療行為に対する影響を考慮すると、本件不開示情報は、
開示することにより、実施機関の診療業務に支障を及ぼすおそれがあると認められる。