意見書第14号


意見書第14号 

        紀伊山地における国直轄の大規模土砂災害対策の着実な推進を求める意見書

 未曾有の大災害をもたらした紀伊半島大水害から5年を経過し、被災地においては、復旧・復興から、さらなる振興に向け、地域が一丸となって取り組んでいる。
 しかしながら、熊野川をはじめとする紀伊半島の河川では、崩壊した山腹斜面等から、おびただしい量の土砂が流出し続けており、河川内に堆く積もった土砂は、地域住民が安全に、安心して、毎日を暮らす上で、著しい脅威となっている。
 国において、平成24年から5年間の計画で特定緊急砂防事業に取り組んだ結果、「深層崩壊」による天然ダムが台風等の豪雨時に決壊し、巨大な土石流が流域を襲うといった悲劇的な大惨事から免れつつあるが、奈良県、和歌山県、三重県の三県には、紀伊半島大水害の爪痕である約3,000箇所にも上る崩壊地が残っており、土砂の流出抑制に向け、高度な専門的知見と技術力を活かし、新たな抜本的対策の展開を図ることは、国としての重大な責務である。
 このため、平成29年度から、5年間の実績を有する紀伊山地砂防事務所において、新たな大規模土砂災害対策事業に着手することを強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成28年12月16日
                                                              奈良県議会


(提出先) 衆議院議長
      参議院議長
      内閣総理大臣
      内閣官房長官
      財務大臣
      国土交通大臣