意見書第1号
介護保険制度に理美容サービスを付加することを求める意見書
介護保険制度は、国民の意識や社会のニーズにこたえて、制度開始以来その時代に応じた的確な運用がなされてきた。しかしながら、今日、介護を必要とされる高齢者が、自宅あるいは施設において介護保険適用を受けるにあたって、介護サービス受給者の気持ちを豊かにするメニューが十分であるかとの部分についての、補強が求められている。
理美容サービスは、高齢者の心身をリフレッシュさせ、心身両面の若返りを促進するとともに、笑顔を創造し、ひいては、高齢者の生活の質の改善・向上、自立支援、介護予防にも繋がるという効果もある。そして、理美容サービスを受けることが難しい方もおられる。
こうしたことを踏まえ、奈良県内の一部地域においては、関係者がボランティアで調髪を行ったり、また、いくつかの自治体では自らの自治体施策として、基準を定め調髪活動に助成を行って、生活衛生面での見守りを行っている。
年間の回数制限等制約を付けているが、自治体の助成により介護を必要とされる高齢者の特別な記念日など本人や家族等が希望される際に、調髪を受けることによって、気持ちを新たにするきっかけとなり、健やかな時を過ごすことができるため、介護を必要とされる高齢者や関係者から好評を受けている。
しかしながら、現行の介護保険制度が、理美容サービス自体は、国が定める介護サービスの対象となっていないので、自治体間格差が生じており、介護保険サービスとして理美容サービスを認められるよう、取り図られたい。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成30年3月23日
奈良県議会
(提出先) 衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官
財務大臣
厚生労働大臣