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小ギク |
生駒郡平群町(いこまぐんへぐりちょう)は、日照条件や土質など、切り花菊作りに最適な栽培環境であり、明治末期から100年以上に渡り栽培を続けている産地です。昭和50年代後半から、作目を小ギクに特化することで量・質とも飛躍的に向上し、大消費地である京阪神の生花市場でブランド力を確固たるものとしました。
露地を主体として、一部施設を組み合わせた栽培体系が確立されており、標高50~400mという標高差を活かしながら年間を通じて200を超えるバラエティに富んだ品種が作付けされています。特に需要の多い8月旧盆に確実に供給するため、LED電球を用いた電照抑制栽培による開花調節にも産地をあげて取り組んでいます。
生産者は「西和花卉部会」に所属し、鮮度・品質にこだわった共選出荷が行われています。西和花卉部会は、部会員数103名、面積約85ha(令和5年現在)で作付けされており、京阪神の市場を中心に全国へ新鮮・高品質な「平群の小菊」を出荷し、市場から高く評価されています。
年間出荷本数は約4,500万本と夏秋期生産の小ギクでは日本一の規模を誇っています。 |
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歴史ある平群の小ギク栽培
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LEDによる盆電照
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ほ場風景
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ほ場風景
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■「平群の小菊」が地域団体商標登録に認定される こちら
■今産地で注目の新技術「超簡易ネットハウス」について こちら
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バラ |
「平群温室バラ組合」が生産者6戸で昭和48年に結成され、本格的なバラ栽培が始まりました。現在は4戸の生産者が約2haの温室で切り花を栽培されています。また、共同でバラ苗生産組合「HEGURI ROSE(へぐりろーず)」立ち上げ、組合内の苗供給および外部のバラ生産者向けのバラ苗生産を行っています。
現在、バラ組合では周年生産・出荷が行われており、激しく変遷する消費者ニーズにいち早く対応するため常に新しい品種を導入し、バラエティに富んだ50品種もの美しいバラが栽培されています。また、近郊産地であることから、もともと新鮮で花持ちは良いのですが、より日持ちするバラを消費者に提供するため、湿式低温輸送(茎の切り口を水に浸けて低温条件下で出荷する方法)が行われています。
また、より良質な苗の安定確保や、新品種のスムーズな導入を図るため、平成28年に「HEGURI ROSE」を法人化し、名称を「平群ローズ株式会社」に改め、切り花用バラ苗生産に加え、ガーデンローズの生産と育種事業にも取り組んでいます。 |
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栽培ほ場 |
美しい平群のバラ |
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ぶどう |
平群町椹原(ふしはら)地区は、県内最大のぶどう産地となっています。新大信貴葡萄(しんおおしぎぶどう)出荷組合が組織され、共選共販体制が確立しています。奈良・大阪・京都の各市場へ向けて農協一元出荷されています。
明治末期に隣接する大阪府からデラウェアが導入されたのが産地の始まりと伝えられ、早期加温から無加温、雨よけ栽培まで、作型をうまく組み合わせた経営が営まれています。
品種構成はデラウェア中心で、近年においては、消費者ニーズの多様化にも対応し、付加価値の高い優良大粒系品種の導入も進んでいます。
視察研修や他産地との交流により、新しい技術の導入にも意欲的に取り組むとともに、園内道の設置や急傾斜の緩和による基盤整備や優良系統への改植、品種更新等を行い効率的な生産体制の構築を目指しています。 |
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産地風景 |
園内の様子 |
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いちご |
平群町を中心に生駒市・三郷町・斑鳩町・安堵町でいちごの栽培が取り組まれ、計8.5ha(令和4年)の作付けがあります。品種は奈良県育成品種「古都華(ことか)」が主に栽培されています。立ったまま作業ができる高設栽培が主流で、都市近郊地域の立地を活かして大阪等大消費地への出荷に取り組んでいる他、地元直売所等での販売にも熱心です。
また、三郷町では農業公園信貴山のどか村で観光摘みとり園も行っています。
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高設栽培 |
奈良県育成品種「古都華」 |
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