意見書第3号
農林水産物・食品の輸出力強化を求める意見書
政府は2019年までに農林水産物・食品の輸出額を1兆円に増大させ、その実績を基に、新たに2030年に5兆円の実現を目指す目標を掲げています。そのような中、2012年に4,497億円だった輸出額は2017年には8,071億円、直近の2018年は9,068億円と順調に推移しており、目標である1兆円の達成が現実味を帯びてきています。
世界中で日本食ブームの中、「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されたことも契機として、内外の食市場を積極的に取り込み、所得の向上に結び付けるため、国内外において日本食・食文化への理解をより確固なものとし、日本の農林水産物・食品の強みを生かせる市場を国内外に創造していく必要があります。
そのため、2016年に政府がとりまとめた「農林水産業の輸出力強化戦略」に基づき、農林漁業者や食品事業者のチャレンジや創意工夫が一層引き出され、意欲的な取り組みが行われるべく、政府においては次の項目を実現するよう強く要望します。
1 市場情報の一元的な把握、集約、提供を行うとともに、輸出に関する相談体制の強化や生産者が直接輸出できる販売ルートの確立、海外ニーズとのマッチング支援、輸出先国の検疫等に対応した栽培方法や加工技術の確立・導入を行うこと。
2 共同輸送の促進等を通じた出荷単位の大口化、最新の鮮度保持技術の普及促進・新規技術開発等により、効率的で低コストな物流体制の構築を図ること。
3 動植物検疫等輸出先国の輸入規制等の緩和・撤廃に向けた輸出環境の整備を行うとともに、生産・加工集荷拠点、物流拠点、海外拠点におけるハード面でのインフラ整備や、制度・手続面の整備・改善など輸出サポート体制の整備等、ソフト面でのインフラ整備を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成31年3月15日
奈良県議会
(提出先) 衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官
外務大臣
農林水産大臣
経済産業大臣