10月17日(木曜日)、県立明日香養護学校において、農業・ジェラート屋を営んでいる地元住民を講師に招き、「ジェラート作り体験」が行われました。
地域の活動に関わり、親しみをもち、また将来の就業に向けて、仕事について学ぶことを目的とし、高等部の生徒たちが講師の方から、ジェラートの材料、作り方や仕事についてのお話を聞きました。
ジェラートの歴史、作り方、味の決め手など、おいしく作るためのポイントをたくさん教えてもらいました。生徒たちは器具をまじまじと見たり、旬の食材であるさつまいもと栗のにおいを嗅いだり、時には「わー!」と喜びの声を上げ、体を揺らし、興奮した様子でした。
「ジェラート作りに参加したい人はいますか?」との問いに、多くの手が挙がり、さつまいも、栗のペースト、牛乳、砂糖を手分けしてミキサーに入れ、スイッチを押すなどをしてジェラート作りに参加しました。「全部入れてもいいの?」と不安そうにしている生徒に対して、講師は「大丈夫だよ」と優しく声をかけ、見守る他の生徒や先生たちもそれぞれの工程に携わる生徒たちに労いの言葉をかけており、和やかな雰囲気の中、活動が行われていました。容器からこぼすことなく丁寧に入れることができた生徒たちは達成感に満ちあふれた様子でした。どの生徒たちも終始にこやかな表情でジェラートの完成を楽しみに見守っていました。
材料を専用の冷凍庫で冷やしている間に、なぜ、地元の明日香村で自ら育て、収穫した果物を使ったジェラート屋をオープンしたのか、仕事についての話をしてくださいました。農業・ジェラート屋をすることで、雇用が増え、明日香村の魅力も増し、村により多くの人が訪れ、明日香村がさらに元気になるのではないかという思いをもって日々取り組まれているとのことです。親しみのある語り口で話されるお話やスライドに、生徒たちも先生も引き込まれていました。
出来上がったジェラートの試食をしてみると、普段は冷たい食べ物が苦手だが、秋の食材の甘みを感じ、おいしく食べることができたという生徒や、おいしくてあっという間に食べてしまい、空になった容器を少しさみしそうに眺めていたという生徒もいました。
講師は「今、自分にできることは村を活かし、自分を活かす仕事に携わることであり、それが農業とジェラート屋だった。生徒たちに、働く意義が伝わっていたら嬉しい。」と話していました。
ジェラート作りを体験し、講師から仕事について学んだことで、生徒の自立と社会参加の意欲を高めることができた活動となりました。