奥田の蓮取り(金峯山寺の蓮華会) おくだのはすとり(きんぷせんじのれんげえ)
記入年月日 2017/10/31
- 所在地
- 大和高田市奥田・蓮池
- 区分
- 民俗 | 無形民俗文化財
- 指定内容
- 県指定無形民俗文化財
※各歴史文化資源へのご訪問の際は公開日・公開時間・料金等を別途ご確認ください。
- 歴史文化資源の概要
- 指定年月日:平成16年3月31日
時代:室町時代から
概要:室町時代から行われてきた吉野山金峯山寺における蓮華会一連の行事です。
①毎年7月7日午前に修験道の開祖である役行者(役小角)が産湯をつかったという捨篠池(蓮池)で、奥田の村人が蓮取り舟に乗って蓮を切り採ります。
②蓮を迎えに来た吉野山の信徒総代や金峯山寺の行者ら一行は、奥田の善教寺で休憩した後、役行者の母である刀良売(トラメ)を祀る福田寺行者堂で勤行します。
③108本の蓮華を2つの桶に盛って運び、弁天社で護摩供養をした後、吉野へと向かいます。
- 地域にとって大切な歴史文化資源である、その理由
- 金峯山寺の蓮華会に欠くことのできない奥田の蓮は、今日まで地元の努力によって大切に守られてきたもので、地域にとって大切な歴史文化資源です。
- 当資源と関連する歴史上の人物とその概要
- 役行者(役小角)
かつて善教寺には役行者(役小角)が産湯をつかったという井戸がありました。
トラメ(刀良売)
役行者の母。現在の善教寺のあたりに住んでいたといわれています。
- 当資源と関連する文献史料
- 『当山年中行事条々』(竹林院所蔵)室町時代
『滑稽雑談』正徳3年(1713年)成立
『大和國高取領風俗問状答』文化12年(1815年)頃
- 当資源と関連する伝承
- 「ひとつ目の蛙」の伝承
役行者の母トラメ(刀良売)が奥田の蓮池で病気を養うているとき、夏のある朝、トラメが池の中にまつってある捨篠神社に詣でると白い蓮の花が咲いていて、葉には金色に光った蛙がいた。トラメは1本の篠萱(しのかや)を引き抜いて、蛙に投げると、蛙の目にあたって片目になった。池の中に逃げた蛙は、もとの土色の蛙となって浮いてきて、五色の露も消えてなくなり、一茎二花の蓮も、もとの蓮になってしまった。しかも池の蛙はそれから一つ目になった。トラメはそれから重病になり四十二歳で死んだ。母をなくした役小角は発心して修験道をひらき吉野山にわけ入り蔵王権現をあがめ、蛙を祭って追善供養をした。(絵本:大和高田の民話『捨篠池の一つ目蛙』より)
- 他地域の関連する歴史文化資源
- 蔵王堂の蛙とび(金峯山寺の蓮華会)吉野郡吉野町大字吉野山2498番地
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