旧岩本家住宅(旧所在 奈良県宇陀郡室生村) きゅういわもとけじゅうたく
記入年月日 2018/01/01
- 所在地
- 大和郡山市矢田町545番地大和民俗公園構内
- 区分
- 建造物 | 住居建築
- 指定内容
- 国指定重要文化財
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- 歴史文化資源の概要
- もと、宇陀郡室生村黒岩に所在し、岩本家は農業・林業を営み、庄屋年寄をつとめたと伝えられています。建築年代については、構造手法上から、19世紀前半でも末頃の建築とみられます。昭和54年(1979年)5月21日に、国の重要文化財に指定されています。建物は、間口約7間、奥行き5間半、入母屋造の茅葺きで、葺きおろした素朴な外観を呈しています。正面向かって左手の土間は、西北隅に馬屋を配し、奥にカマド・流し・唐臼を備え、戸棚も付き、広い釜屋としています。右手の居室は、桁行を二分して、上手には前後に3室が並び、下手は前側に6畳室があり、後ろ側は半間、土間に張り出して、長6畳2室が左右に並びます。さらに、表と南側に半間通りの縁が付き、この外側は雨戸に建て込んでいます。この縁の西南隅には、上便所を設けています。なお、上手奥の4畳室の南側に付書院がありますが、東側は仏間になっています。
- 地域にとって大切な歴史文化資源である、その理由
- 旧室生村黒岩は、室生寺から東南方へ約5㎞へただり、胎ノ川の支流、黒岩川の中程で、谷間の南斜面を利用した村落です。また、畿内より伊勢に向かう伊勢街道が、地区中央を通っていました。岩本家は、この街道の下にあって、主屋は河岸段丘部を造成したところに建っていました。この建物の平面は、三間取りに座敷3室を加えたもので、食違型の発展形式と考えられる他、構造では表側はせがい造りとし、間仕切りの食い違うところでは柱を抜き、背の高い差鴨居を多く入れるなど、すこぶる開放的であり、また土間上の奥行に太い梁を半間毎に架け渡すなど、この地方の特色をよく表しています。改造はほとんどなく、当初の状態がよくわかります。
- 当資源と関連する文献史料
- 「嘉永六年 黒岩村切支丹宗門御副案人別寺請帳」 「明治八年 黒岩地券」 「明治三十年 岩本代々戸籍簿」 「嘉永二年 御修復御手当銀請借証文之事」
- 問い合わせ先
- 奈良県立民俗博物館 総務課
- 電話番号
- 0743-53-3171
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