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旧木村家住宅(旧所在 奈良県十津川村旭) きゅうきむらけじゅうたく

記入年月日 2018/11/03

旧木村家住宅 外観
旧木村家住宅 主屋
旧木村家住宅 門屋・納屋 
所在地
大和郡山市矢田町545番地大和民俗公園構内
区分
建造物 | 住居建築
指定内容
県指定有形文化財

※各歴史文化資源へのご訪問の際は公開日・公開時間・料金等を別途ご確認ください。

歴史文化資源の概要
もと吉野郡十津川村大字旭字迫に所在していた山間の家で、農林業を営み、幕末頃には村役を務めたと伝えられています。建物の建築年代は、主屋が棟札から文政4年(1821年)、納屋及び表門は19世紀中頃です。 この地域特有の厳しい自然環境のため、県北部の民家とは、姿や間取りが大きく異なっています。県北部の民家は、一般的に屋根が瓦および草葺きで、屋内は居室と土間に区分されるほか、内外の間仕切りに土壁を多用します。しかし、奥吉野地方では、この家のように屋根を杉皮で葺き、石を乗せ、妻側の端部にウチオロシ(雨除け)が付く姿となります。 また、屋内は居室と土間の明快な区分はなく、間取りは3室の横一列型、表側に縁、裏側に小室を設けるほか、間仕切りは全て板張りです。さらに、土間(地面のまま)にあたる所にカマドはなく、板敷きとなっている等の造りがこの地方の標準的な民家のようです。構造は極めて簡単で、柱・梁等の部材は角材で太く、棟持柱を有しているなど、古式な一面を示しています。 附属の納屋は、屋内を牛小屋と便所に二分し、天井上は背面上部を突き出してツシ二階を広くした造りになっています。     
地域にとって大切な歴史文化資源である、その理由
この家が所在した所は、「迫と背中は見ずに死ぬ」と言いならわされたほど山深い峡谷の地です。また、全国でも最多降雨の一地帯であり、さらに季節によって、風が谷間から猛烈に吹き上げる土地柄でもあります。このような厳しい自然環境のため、県北部の民家とは、姿や間取りが大きく異なっています(上記概要のとおり)。 この住宅によって、奥吉野地方の当時の生活様式を思い起こすことができると共に、主屋の建築当初の規模(間口4間、面積16.5坪)から増築をへて、さらに納屋・表門が建てられ、屋敷構えが拡充してきた過程も併せ示す好資料となっています。
問い合わせ先
奈良県立民俗博物館 総務課
電話番号
0743-53-3171

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