西大寺石落神社本殿 さいだいじしゃくらくじんじゃほんでん
記入年月日 2022/04/07
- 所在地
- 奈良県奈良市西大寺南町
- 区分
- 建造物 | 宗教建築
- 指定内容
- 市指定文化財
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- 歴史文化資源の概要
- 石落神社は、近鉄大和西大寺駅南側、西大寺境内東向かいの飛地にあります。西大寺の鎮守社として仁治3年(1242)に叡尊によって祭られたのが始まりとされています。わが国最古の売薬ともいわれ、昭和に至るまで西大寺に伝えらえていたという漢方薬「豊心丹」は、石落神が叡尊に授けたと伝えられています。 本殿は、一間社春日造、檜皮葺の小社殿です。正面に階段を設けず一面に床を張る見世棚造となっており、装飾の少ない簡素な建物です。古式な要素が各所にみられ、風蝕も著しく、建立年代は室町時代の中頃と考えられます。西大寺に残る建物としては、室町時代初期以前の南門に次いで古いものです。 昭和63年(1988)に奈良市指定文化財に指定されました。
- 地域にとって大切な歴史文化資源である、その理由
- 奈良に多い見世棚造の小社殿の中でも年代の特に古いものとして貴重です。 また、わが国最古の売薬ともいわれ、昭和戦前期まで西大寺に伝えらえていたという漢方薬「豊心丹」は、石落神が叡尊に授けたとされていて、奈良における伝統的製薬の由緒を物語る歴史文化資源としても大切です。
- 当資源と関連する歴史上の人物とその概要
- 叡尊 建仁元年(1201)~正応3年(1290) 鎌倉時代の律宗の僧。西大寺中興の祖。17歳で出家し、始め真言宗を学んだが、戒律の復興を志して西大寺に移り、荒廃していた寺を再興した。下層民の救済に努め、社会事業にも尽力し、海龍王寺・法華寺・般若寺の再興なども手掛けた。貧民から武家・公家・皇族に至るまで、広く帰依を集めた。
- 当資源と関連する文献史料
- 『西大勅謚興正菩薩行実年譜』の仁治3年(1242)の項に、叡尊が石落神から秘薬「豊心丹」を授けられ、東門付近に石落神を祭ったことなどが記されています。 建長3年(1251)の『西大寺領検注目録』には、現在地にあたる右京一条三坊三坪に「一反 石落神敷地」とあります。
- 他地域の関連する歴史文化資源
- 八幡神社能舞台 (奈良県奈良市月ヶ瀬石打、市指定文化財) 春日神社拝殿(舞台) (奈良県奈良市下深川町、市指定文化財)
- 問い合わせ先
- 奈良市教育委員会事務局教育部文化財課
- 電話番号
- 0742-34-5369
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