出会う 奈良県歴史文化資源データベース

菅原遺跡 すがはらいせき

記入年月日 2022/04/25

菅原遺跡全景(西から)
中心建物
所在地
奈良県奈良市疋田町四丁目
区分
遺跡 | 社寺跡又は旧境内
指定内容

※各歴史文化資源へのご訪問の際は公開日・公開時間・料金等を別途ご確認ください。

歴史文化資源の概要
 菅原遺跡は、昭和56年(1981)の発掘調査で仏堂と考えられる基壇建物がみつかった奈良時代の寺院跡と考えられている遺跡です。令和3年(2021)にこの地で宅地造成に伴う発掘調査が行われ、柱穴が円形(あるいは十六角形)に並ぶ建物跡とそれを取り囲む回廊跡及び塀跡が見つかりました。円形あるいは十六角形の平面構造の建物は古代では類例がなく、復元が難しいのですが、多宝塔を想定する案が有力です。
 菅原遺跡は標高105mの高台にあり、遺跡から東を望むと、左手に平城宮大極殿、正面に若草山や東大寺、右手に喜光寺や唐招提寺、薬師寺が望めます。このような立地や中心建物が円堂建築で、円堂建築が個人を供養する供養堂の機能が指摘されていることからみて、東大寺の大仏の建立に尽力し、菅原寺(現喜光寺)で亡くなった行基に関わる遺跡である可能性も指摘されています。
地域にとって大切な歴史文化資源である、その理由
 菅原遺跡で発見された円堂建物は、奈良時代としては類例がなく、貴重なものです。  また、遺跡は平城京にとって重要な人物である行基との関わりも指摘されており、入寂の地である菅原の地にあって、地域にとって重要な意味をもっています。
当資源と関連する歴史上の人物とその概要
【行基】行基は飛鳥~奈良時代にかけて活動した僧。当時、朝廷は僧が民衆へ直接仏教を布教することを禁じていましたが、行基はその禁を破り、集団を形成し、近畿地方を中心に広く仏教を説きました。併せてため池や橋の築造といった社会事業を実施しました。のち、大僧正として東大寺の大仏の造立に尽力しました。
当資源と関連する文献史料
『続日本紀』、『行基年譜』
当資源と関連する伝承
『行基年譜』には、「長岡院 在菅原寺西岡」とあります。
他地域の関連する歴史文化資源
竹林寺行基墓(奈良県生駒市、国指定史跡) 菅原寺(奈良県奈良市) 東大寺大仏(奈良県奈良市、国宝)
問い合わせ先
奈良市教育委員会文化財課
電話番号
0742-34-5369

掲載されております歴史文化資源の情報は、その歴史文化資源が地域にとって大切であると考えておられる市町村、所有者、地域の方々により作成いただいたものです。
見解・学説等の相違については、ご了承ください。