山崎家住宅 やまざきけじゅうたく
記入年月日 2023/04/20
- 所在地
- 奈良県奈良市奈良阪町2152他
- 区分
- 建造物 | 住居建築
- 指定内容
- 国登録有形文化財
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- 歴史文化資源の概要
- 奈良市奈良阪町は、奈良から京都に通じる京街道に沿って、奈良町最北端に形成された街村状の町です。北端部からは伊賀・伊勢方面へ通じる街道も分岐しています。昭和初期頃まで物資の集積地として問屋や市場もあり賑わったといいます。山崎家も戦後まもない頃まで青果問屋を営んでいました。元「山城屋」、後に「山平」を屋号としていました。
主屋は、棟札や鬼瓦銘から文久2年(1862)の建築とわかります。現在は敷地のやや奥に建っていますが、当初は通りに面して建っていました。木造つし2階建、切妻造、平入、桟瓦葺の町家で、正面と背面に庇を付けます。正面は、南側約3分の2は板戸(内側に耐力壁やガラス戸等を設置)、北側約3分の1は奈良格子(丸太を用いた太い格子)としています。当初は板戸の内側は土間で、板戸を開放して商売をしていたと推定されます。つしの正面は、虫籠窓を3か所設け、両端に袖卯建を付けています。
通りに面して建てられた後、昭和14、15年(1939,40)頃、敷地前方を広く露天の市場のスペースとするため、後方に曳家されました。昭和30年代には前方の広場に貸家が建てられましたが、平成18~19年(2006~07)の半解体修理工事に伴い貸家は撤去され、再度前方に曳家されています。
主屋は平成17年(2005)に国の有形文化財に登録されました。
- 地域にとって大切な歴史文化資源である、その理由
- 建築年代が明確な江戸時代末期の町家で、敷地内での移動や改修はありますが概ね保存はよく、旧奈良町における町家建築の一指標として価値があります。青果問屋を営んだ商家の遺構で、物資の集散地であった奈良阪町の歴史を伝えるものとしても貴重です。伝統的な町家が広く残る旧奈良町にあってその最北端部に位置していることも、この建物の存在価値を高めています。
- 問い合わせ先
- 奈良市教育委員会事務局 教育部 文化財課
- 電話番号
- 0742-34-5369
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