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紀寺の家 縁側の町家 きでらのいえ えんがわのまちや

記入年月日 2024/04/23

紀寺の家 縁側の町家
所在地
奈良県奈良市紀寺町779-1
区分
建造物 | 住居建築
指定内容
国登録有形文化財

※各歴史文化資源へのご訪問の際は公開日・公開時間・料金等を別途ご確認ください。

歴史文化資源の概要
 奈良町南東部、紀寺町の路地の奥に建つ、大正末頃の町家です。当時近くにあった陸軍連隊(注)の士官や小学校の教師などの世帯が、移り住むための貸家群の一棟です。
 切妻造平入、桟瓦葺で、正面に出入口と出格子窓を構えています。庇の腕木を鉄製の持送りで支えている点は建てられた年代をよく示しています。内部は前土間式で、表側にそれぞれ土間と居室からなる玄関と台所・食堂を配し、奥は6畳間と8畳の座敷を並べ、背面に縁を設けています。
 同じ路地の一画にある他の貸家が長屋であるのに対し、この建物は一戸建で、規模もやや大きく、床構えに違棚を設けるなど、他より上質な造りとなっています。
 平成28年(2016)に国の有形文化財に登録されました。

注 現在の奈良教育大学の場所にありました。
地域にとって大切な歴史文化資源である、その理由
 大正末頃に貸家として建てられた町家で、トオリニワではなく表側を土間とする前土間式の平面や、玄関を設ける点など、給与生活者向けに建てられた貸家の姿をよく伝えています。貸家としては比較的上質な造りで、保存状況も良好です。近代の奈良町における住宅の例として価値があります。
 また、他の貸家とともにユニークな宿泊施設として活用されており、町家の価値や歴史的環境を活かすことの大切さを社会に提示し、地域づくりに大きく貢献しています。
問い合わせ先
奈良市教育委員会事務局 教育部 文化財課
電話番号
0742-34-5369

掲載されております歴史文化資源の情報は、その歴史文化資源が地域にとって大切であると考えておられる市町村、所有者、地域の方々により作成いただいたものです。
見解・学説等の相違については、ご了承ください。