大峯葛城入峯日記 おおみねかつらぎにゅぶにっき
記入年月日 2025/01/31



- 所在地
- 吉野郡吉野町大字上市151番地
- 区分
- 歴史資料 | 文書・書籍・絵図・地図など
- 指定内容
※各歴史文化資源へのご訪問の際は公開日・公開時間・料金等を別途ご確認ください。
- 歴史文化資源の概要
- 阪本龍門文庫に所蔵される、大峯入峯(おおみねにゅうぶ)および葛城入峯(かつらぎにゅうぶ)の行程を記した古記録です。全4冊から成り、1冊目は慶長3年(1598)の大峯入峯、2冊目は同8年(1603)の大峯入峯、3冊目は同9年(1604)の葛城入峯、4冊目は同8年~9年にかけての陸奥国の修験の支配権をめぐる争いに関する記録となっています。いずれも本山派修験の本寺である聖護院の院家、若王子澄真(にゃくおうじちょうしん)による自筆記録です。
その内容は、京都から奈良を経て吉野・大峯から熊野、あるいは大坂から和歌山・加太へと至り、高野山・二上山を経て京都へと至る入峯の行程を日記形式で記録した道中記と呼ぶべきものであり、自筆の入峯記録としては現存最古級の遺例です。吉野から大峯山上、玉置山などの行所の記載は極めて詳細であり、また、伏見での豊臣秀頼による山伏見物や、道中の奈良各地の様子、門跡・院家の文化活動など、当時の政治動向や社会・文化の状況を示す記事も散見されます。
本品は、桃山時代に遡る修験の記録として稀少であり、桃山時代から江戸時代初頭にかけての宗教・政治・社会・文化を知る上で極めて重要な古記録であると評価できます。
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