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吉野の漆掻き用具 よしののうるしかきようぐ

記入年月日 2025/01/31

吉野の漆掻き用具
所在地
五條市北山町930番地の2(市立五條文化博物館)
区分
民俗 | 有形民俗文化財
指定内容
奈良県指定有形民俗文化財

※各歴史文化資源へのご訪問の際は公開日・公開時間・料金等を別途ご確認ください。

歴史文化資源の概要
 奈良県の吉野地方は古くより良質の漆が産出し、吉野漆として尊ばれました。この吉野漆の中心であったのが、五條市西吉野町の旧吉野郡賀名生地区です。明治10年(1877)の『全国農産表』では、日本の漆液産出量に占める奈良県の割合は全国の4割以上を占めており、その大部分が吉野郡でした。しかし、明治20年代後半には、中国産の安い漆が入ってきたため、以後はまったく振るわなくなりました。
 漆の木が水分を吸い上げるようになる6月から秋の彼岸頃までは、ヘンガキ(辺掻き)、ウラガキ(裏掻き)、トメガキ(止掻き)の順に立木から漆液を採取します。最後、11月頃には、枝を切り、ブチキリガキといってその場で液を採ったり、枝を束ねて持ち帰り、水に浸け、エダマワシをしてセシメウルシを採りました。吉野地方では、7、8年生の若木の漆が好まれました。漆液を採取し終わった後の木は伐採し、その切り株から新たに出る萌芽から3、4年後に再び漆液を採取しました。
 本資料群は、五條市西吉野町湯塩・北曽木・和田・大日川・南山の各地から収集された、ナタ1点、カマ7点、アラカワトリ10点、ウルシガンナ60点、トリベラ5点、マワシボウチョウ3点、サシベラ6点、ゴウ3点、クリベラ3点、スキベラ5点、ツルベ4点、ヤスリ1点、カンナブクロ1点の計109点で、明治期から昭和初期頃まで、賀名生地区を中心に使用された体系的な漆掻き用具一式です。日本の漆芸、漆器産業を支えた吉野地方の漆掻きの民俗を語る上で不可欠な資料として貴重です。
問い合わせ先
奈良県文化財課
電話番号
0742-27-9864

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