社会復帰促進就労支援シンポジウム 概要
1. 開催日 平成28年7月6日(水曜日)14時~16時
2. 開催場所 大和高田さざんかホール
3. 出席者数 80人
4. 開催目的 前歴などを理由に就労が困難な状況にある刑務所出所者等の雇用の重要性を事業者、県民とともに考え
刑務所出所者等の積極的な雇用を促進する。
5. テーマ 「刑務所出所者等が再び活躍できる社会を目指して」
6. コーディネーター 本田 恵子 早稲田大学教授
パネリスト 福田 英夫 日本財団コミュニケーション部長
矢澤 祐史 一般財団法人ワンネスグループ代表
森 吉三郎 森建設株式会社代表取締役
(経歴詳細はチラシ参照)
7. 概要
(1)浪越副知事挨拶
刑務所出所者等の更生のためには、雇用は重要な要素。協力雇用主として130社の事業者の方に登録いただいて
いるが、実際に雇用されている事業所数は増加しているとはいえ、その約2割程度の状況であることから、雇用
促進のため、関係機関がさらに協力を強化する支援の仕組みづくりが大切と考える。
(2)コーディネーター、パネリストの意見
(本田教授)
・犯罪者をつくっているのは実は社会。感情の発達障害が1次としてあり、幼少期に社会性が身につかず「あの
子は面倒」と社会から排除される2次障害を生み出す。そして就職したくてもできない3次障害へと続く。
・排除される経験が続くと諦めてくる。いかに早めにSOSに気づいて、手を差し伸べられるかがポイント。
・例え遅刻しても「昨日より5分早く来られたね」など良い所を見つけて数値化して褒めて認めてあげることが
大切。
・依存症の方はドーパミンを求め快楽に走り、止めた途端に自分が自分に戻ることを恐れ止められない。働いて
も土・日の余暇があり、暇な時間が非常に危険。しっかりした回復プログラムが必要。
(福田部長)
・日本財団では、刑法上の制約があるが、社会性や一般教養を身につけて出所することができる刑務所をつくろ
うと国に提案している。
・官と民との勉強会を実施する中で、刑務所から社会に移る時にリハビリ期間が必要と考え、中間支援施設の設
立につながった。
・農業は更生の効果は見られるが、若い世代が働きながら自立した生活をするという意味では厳しい。
・刑務所出所者等であることをオープンにして社会がそれを受け入れる体制を創らないと根本的な問題解決には
ならない。
(矢澤代表)
・自分には愛される価値がないと思い込む者が依存に走る傾向がある。
・薬物依存から立ち直るには正直さが必要であり、自分の感情を素直に表現することが大事。これができないと
暴力等の犯罪に走る。
・自分自身を見捨てないように、周りが聞く力をつけることが必要。こぼれそうになった時は言い聞かせるより
質問をしてあげることが必要。
(森社長)
・出所者等でも、絶対よくできる子がいる、一生懸命やる子がいるという信念を持って雇用している。
・口数が少ないため、意思疎通、コミュニケーションが難しく、雇用後のフォローの仕方を迷っている。社会性
を教育して出所させることが必要。
・これまで7名雇用したが、全員1年以内に辞めており、なぜ長続きしないのかが分からない。また辞めた後の
情報が入るようなシステムが必要。
浪越副知事 本田教授
福田部長・矢澤代表・森代表取締役 全体