南部農林振興事務所の管轄地域は、奈良県南部に位置する、五條市と吉野郡全域の3町8村(吉野町、大淀町、下市町、黒滝村、天川村、野迫川村、十津川村、下北山村、上北山村、川上村、東吉野村)からなっており、総面積2,347平方キロメートルで県面積(3,691平方キロメートル)の64%を占めています。管内のうち、吉野川沿いの北部平坦地域は圏域の産業活動の集積拠点であり、農業や商工業の中心地として、南部山間地域は、吉野・熊野の雄大な山岳地帯に代表される恵まれた自然環境と、豊かな森林資源(管内面積の92%)、水資源を有し、古くから有数の林業地帯として栄えてきました。気候は、平野部においては概して温暖ですが、山岳地帯は年間降雨量4,000ミリを越す大台ヶ原をもつ多雨地帯です。
農業
当地域の農業は中山間地域に展開され、立地・形態により大きく二分されます。一つは五条市・下市町にかけての中山間地域に広がる果樹地帯で、ここでは国営農地開発事業による農地造成が進み、全国でも有数の柿産地を形成しています。一方、山間地域における農業は、林業との複合のなかで立地条件や気象条件を活かし、キノコや薬草等の生産がなされるとともに観光とリンクさせた加工場づくりなど地域特産物開発の取り組みが進んでいます。
林業
当地域の林業は、吉野川流域(紀ノ川水系)と北山・十津川流域(新宮川水系)の2流域に大きく分かれています。吉野川流域は、全国的に有名な吉野林業に代表される1市3町4村で構成されています。また、北川・十津川流域は、全国最多雨地帯である大台山地、近畿最高峰である八剣山(1,915m)を源流とした流域で、6村で構成されています。 この地域は、古くから植林が行われてきたことから、森林資源は全国平均を大きく上回っており、豊かな自然環境を生かし、素材(優良大径木、磨丸太)、林産物(シイタケ等)、割り箸等の生産が行われています。 表紙にもどる