「遥かに望む高見連山も残雪の帷(とばり)を外し、菟田野の郷にも春がやってきました。」私が菟田野中学の卒業式で読み上げた送辞の一節と記憶しています。故郷を遠く離れた今でも毎年春になると不思議とこの一節が、芳野川添いの桜並木の情景とともに心に浮かんできます。このほかにも、宇太水分神社の秋祭りや、野球少年だった頃の真夏の暑いグランド等々、故郷の思い出は尽きません。 畝傍高校を卒業後、東京での大学生活を経て、いわゆるUターン就職者として地元企業である近畿日本鉄道に就職した私ですが、5年余りのアメリカサンフランシスコでの勤務、そして4年目を迎えた今回の東京での勤務と、故郷を遠く離れることが多くなりました。 東京の街からはすでに、2020年のオリンピックを控え、独特の期待感や活気が伝わってきます。とりわけ私が身を置くホテル業界においては、アジア各国の発展や円安を背景に、これまでにない規模や多様性で海外からのお客様を日々お迎えしています。 こうした活気が奈良はもちろん全国各地に伝わればと願いながら、また今年こそは久しぶりに秋祭りに里帰りすることを楽しみに、毎日を頑張っていきたいと思います。
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