平成29年5月31日(水)知事定例記者会見

司会:
 おはようございます。
 ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 本日の発表案件は4件です。よろしくお願いします。


案件:フレックスタイム制を活用した朝型勤務の推奨及び定時退庁(一斉消灯)の実施について
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知事:
 では、報告案件をまずご説明申し上げます。
 案件の1ですが、フレックスタイム制を活用した朝型勤務の奨励と定時退庁の実施です。
 朝方勤務を24年ぐらいからずっとしてまいりました。随分、定着をしてきましたが、年々結果検証しながらPDCAでやっております。平成24年度から朝型勤務やりました。5年間やって、6年目になりますが、サマータイムと言われるのを実行していましたが、一斉サマータイムということだったので、アンケートを採ると、「それでいい」という人と、「事情があって朝型はちょっとつらいよ」という人がアンケートの結果に出ていました。「朝はつらいよ」というのは、保育園に子供を連れて行ったり、家庭の事情によるので、朝早く来て、夕方家事などをしたらどうですかというお勧めであったが、一斉サマータイムというのはそういう事情をうまく吸収できないことが分かりましたので、フレックスタイムを導入して、申告して、ご希望の方は朝型にしてくださいといったことを実行することにいたしました。

 組合に提示をしまして、5月24日に職員組合と合意に至りましたということです。現在、30名ほど、そのフレックスの実施をしている職員の方がいます。また、定時退庁、一斉消灯も、これは数年前からしていて、5年過ぎて6年目に入っています。今年も7、8月、水・金の本庁・出先機関、全ての定時退庁を実施したいと思います。県庁の仕事は、市民の方と常時接触する仕事が多いというわけではないが、そういう部局もあるので、県民の方にご理解を得ながら進めたいと思います。

 サマータイムで一斉に朝にずらすだけではなく、朝型勤務の人と、短い勤務の人と、少し遅くなる人、それぞれ申告して、所属長が余り偏って業務に差し支えがあるといけないという配慮をしますが、基本的に自由にしてもらう。

 資料にありますが、コアタイムというのが10時から4時までとなっています。育児・介護の申告があれば3時までということになっていますが、それを会議時間などにして、そのほかの前後はなるべく自由にしてもらう。最低勤務、最長勤務、それぞれ長く何日か勤めるが、その代わりに丸1日休みの日をつくるといったことも可能になるようにしたいと思っています。7、8月のサマータイムにかえてフレックスタイム制を推奨しますが、サマータイムの終了後もこのフレックスタイム制を維持していきたいと思っています。

 1つ目は、そのようなご報告です。

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案件:ムジークフェストなら2017 いよいよ開幕!
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 2つ目は、ムジークフェストなら2017です。6回目になりますが、この梅雨どきに雨の間を縫って音楽祭を奈良県は実行しています。定着をしてきたようにも思いますし、春日野園地での演奏も大変板について大好評になっている面がございます。今年の公演ですが、6月10日にオープニングをします。これは例年のように大仏殿でオープニングをします。

 また、春日野園地で土日に開催するムジークプラッツが人気で、去年3万人以上の方が来られたファミリーコンサートを、今年も6月11日に開催します。予想外の大多数でしたので、現場担当者がびっくりして戸惑った面もありますが、今年は来場される方にご不自由をかけないように気を使いたいと思っています。また、有料公演ですけれども、6月23日には映画音楽コンサートが文化会館であります。また、ゲーム音楽という分野での有料演奏が6月25日にあります。

 それから、クロージングは、最近落慶しました薬師寺食堂(じきどう)前での記念コンサートです。今年度の新しい取り組みとしては、小学校、幼稚園などに、お出かけ演奏をするということを考えています。ムジークフェストは、9月から始まります国文祭・障文祭のプレイベントということになります。今年の開催会場は137と聞いています。約250の演奏会を、この2週間余りで行うことになります。そのような報告をいたします。


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案件:奈良県がパラリンピック(水泳)の競技拠点県に決定![拠点施設:スイムピア奈良]
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 3つ目の報告ですが、パラリンピックの競技拠点県の指定がありました。パラリンピックには5県の指定がありましたが、その中で水泳が選ばれています。オリンピックは7県の指定がありました、奈良県はそちらには入っていません。パラリンピックの水泳の競技強化拠点に決定しましたという報告です。ライジング・スター・プロジェクトと国のほうでは呼んでいますが、スイムピア奈良で拠点として実行されます。スイムピア奈良は、これまで香港のナショナルチームが来たり、その前にシンガポールのナショナルチームが来たりと、人気の水泳プールになっています。そのようなことがありましたし、奈良県では、熱心にスイムピアを活用してきましたので、このようなはこびになったかと思います。日本体育協会が実施して、予算をつけていただくことになります。11月ごろから始まると聞いていますが、3名から5名程度の強化トレーニングと聞いています。


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案件:スイス・リース林業教育センターから実習生を受け入れ
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 4つ目の報告です。スイス・リースという地名ですが、リースの林業教育センターから実習生を受け入れることになっています。6月7日から8月2日まで4名受け入れます。6月8日には知事室へ来ていただきますが、プレスオープンで受け入れ公開をさせていただきたいと思います。

 この実習生受け入れの経緯ですが、ベルン州と友好協定を締結しまして、観光など有名ですが、驚いたのは森林環境管理制度が整っているということです。森林環境管理制度は、奈良県だけではなく、和歌山県、三重県と連携して森林環境管理制度の条例を作ろうかという検討を始めています。国のほうは4つぐらいに省が分かれています。木材の搬出などは林野庁、農林水産省、それから砂防・治山・治水については国土交通省、林野庁、農林水産省、それと動植物生態維持については環境省、レクリエーションについては国土交通省というように省庁が分かれて、統一した森林環境管理制度は日本にありません。国に制度がないので、分権、分権といっても分権のしようがないので、地方で制度を作らなくてはいけないかなという意識を持ち始めています。紀伊半島で和歌山県、三重県と制度をつくる検討を始めていますが、先日、近畿ブロック知事会では滋賀県もフォレスター養成学校に興味あるので参加します、一緒に検討します、といった声かけがありました。

 そのような状況の中でのスイスではフォレスター養成校、森林環境管理制度の全権限が、フォレスターという国家資格の職務に与えられております。一生ある森林の管理をするのですが、その森林の伐採から養生についての指導権限が、大きな権限がある制度です。大変驚くような森林環境管理をスイスはしているなと思いまして、学びたいと思っています。そのような連携の中で、リースの教育センターは、向こうの地方のカントンと言われる11の州が共同で出資して学校を作っているような、地方の共同出資学校であります。そのフォレスターは市町村などに雇われて、場所を決めて、この森林はあなたが一生管理しなさいよというような制度であります。日本の制度と随分違うなというので、そのまま移入はできないかもしれませんが、そのような森林環境をトータルに見るということに感銘を受けました。こちらが学ぶことが中心ですが、スイスのフォレスター養成学校は実習を教育課程の中で非常に強調されていて、海外実習の一環として、向こうの学校の実習課程の一環として、連携協定の中で、奈良県に来ていただくということです。大歓迎です。

 十津川村、川上村へ来られるが、実習生からの報告会を予定しておりますので後日、開催日時、場所についてはお知らせをさせていただきたいと思います。

 以上が4つのご報告です。

司会:
 ありがとうございました。
 それでは、発表案件に関するご質問をよろしくお願いいたします。

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質疑応答

フレックスタイム制を活用した朝型勤務の推奨及び定時退庁(一斉消灯)の実施について

時事通信:
 冒頭のフレックスタイムとサマータイムの件ですが、サマータイムのほうは期間限定と思いますが、フレックスタイム制のほうは永続的にやられるんでしょうか。

知事:
 そうです。フレックスタイムは、このような形でうまくいけば、7、8月に限らず、継続し、年がら年中という言い方は変ですが、冬は遅く来て、10時までには来てくださいということになると思います。10時から来て、その日は普通の勤務時間幅でしたり、長くしたり短くしたりということも可能です。1日置きに介護に行きたいという職員もいます。この日は長く、翌日は早く帰って両親のどちらかの介護に行きますというような職員もいるかもしれないので、それは個人の事情に合わせてコアタイムの10時から4時までに会議をするというようなことをしたいと思います。

 オフィスオープンというものが決まっているので、そのときに、誰も電話に出ないと困りますので、その課の閑散・繁忙の程度を現場で熟知して、1人ぐらいは残しておく、朝からはきちんと来ておくなど、オフィスオープンタイムとの折り合いもあろうかと思うので、その調整を現場で管理者にしてもらいます。

 市役所は、オフィスオープンのタイムが決まっていて、それに市民の方が来られるということもあります。市役所も家庭の事情で、そんなオフィスオープンの時間はこちらも仕事をしているので行けないという市民の方もおられるかもしれないので、これからは行政サービスの提供時間帯のあり方というのも課題になってくると思います。市民の方と接触のより深いのは市町村役場だと思います。県のほうでも接触はありますが、多少弾力的に運営させていただいても迷惑をかける程度は少ないかもしれないと、少し念頭に置きながら、試行錯誤しているところです。

時事通信:
 今、盛んに言われている働き方改革といったところも念頭にあって、こういう制度を導入されたんでしょうか。

知事:
 働き方改革は、奈良県のほうが早く改革の旗を上げ、小さな旗を振っていたのですが、最近急に国のほうが働き方改革を言い出したなというような感覚です。そう言っていることは歓迎です。やはり大事なことを国も気がついてくれたのかなという感じがします。ただ、国で働き方改革をするのと、地方政府で、現場でやると、結局現場が合理的に変わらないといけないということです。三六協定に代表されるように、現場に全部任せたよといったらなかなかうまくいかなかった日本の働き方の現状ですので、工夫をするセンサーといいますか、工夫をするそのポイントを幾つか作っていかなければいけないと思います。

 何でも国が旗振らないとできない国柄だったかもしれないが、やはり時事は時のことだから、自らの事とまた少し違うかもしれませんが、様々な現場に近いところで違う旗を振るといって、いいことをやる。こちらで働き方の旗を振って、何かある地域で成功したら、同じ黄色の旗がぽつん、ぽつん、ぽつんと目立ったなという国柄になってもいいかと思います。中央で黄色の旗を振ったら一斉に黄色の旗が増えるというような国柄であったのが、だんだん変わってきているのかなという感じがします。地方の小さな旗振りも大事で、良いことがもしできたらお知らせして、真似してもらえばよい。どこかで違うやり方をして実行できたら奈良県もすればいいだろうしと、そういうような、良い真似をします。奈良県言葉では、「まねし、まねし」と言っています。「まねし」をしようというようなことを普通の行政行動、国を見てするというよりも、よそを見て良い「まねし」をしようというような地方行政のパターンも出てきているように思います。

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スイス・リース林業教育センターから実習生を受け入れ

日経新聞:
 フォレスターについて基本的なことで大変恐縮なんですが、本来、スイスの進んだ制度を取り入れるという趣旨だったと思うんですが、こういう若い実習生を受け入れるという、この意味について、もっと教師や講師のほうがいいような気がするんですが、これはどういうことなんでしょうか。

知事:
 講師も来てもらいますが、まだ学校もありませんので、講師に来て教えてくれというわけにもまだ制度的にはいかないのですが、それでも講師に来てもらう意味はあると思います。リースの校長先生に、この秋、9月か10月に来てもらうのですが、実際に教えてもらうのはフォレストアカデミーができてからのほうがいいなと思っています。フォレストアカデミーをつくって講師に来てもらおうというのが基本的な最初のスタートでしたが、そこから少し勉強が進み、フォレストアカデミーというのはどういうフレームの中でつくっているんだろうかと調べますと、最初は本当にわからなかったのですが、森林環境管理制度という立派な国法があって、その中での国家資格としてのフォレスターを養成する。この場合、リース(林業教育センター)は11の地方の合同の学校で、国家資格をもらう地方主体の学校だということがわかってきて、スイスはすごいなあという実感で、その森林環境管理制度については、国の法律を待つわけにはいかないので、条例ででもつくれないかというのが今の、先ほど申し上げた検討課題です。

 森林環境管理は多要素であり、日本は縦割りで、木材の生産の森林、治山治水の土砂崩れをしない森林、動植物が依拠する森林、レクリエーションする森林と、それぞれ省が違い、それぞれ別々、ばらばらでしている国柄でありますが、森林の場所は決まっていますので、この森林は一体的にどうしてできないのと言われたら本当に答えに窮するわけでありますが、スイスは森林環境管理ということで一体的にしようということを国法で決めておられますので、その管理をする大きな権限をフォレスターという国家資格で与えておられるという制度であることがわかってきました。

 木材価格は日本の2分の1、人件費は日本の2倍であるにもかかわらず、あのきれいな森林環境が守られているということは、荒れ放題の日本の森林と比べて何か違うんではないかということが、このような方向で今、県が勉強しようという大きなきっかけであります。スイスとの交流が始まってからの勉強ですが、そのようなことを和歌山県、三重県に相談しますと、三重県は、林業大学校を本年度か来年度つくるということを公約にしていたので一緒にやろうと。全部県で自前でしなくても、合同の林業大学校、フォレストアカデミーをつくってもいいなというふうに変わってきておられますし、和歌山県は、農業大学校に林業コースというのを設けておられますが、その林業コースと奈良県がもしうまくできたら、フォレストアカデミーと連携して、それぞれ生徒がそれぞれの地域に実習に行ってもいいし、カリキュラムをできるだけ合同で移入するようにしてもいいしというような構想です。奈良県だけで受け入れる必要は、向こうは11の州が集まってつくっている学校ですので、学校そのものも3県でつくってもいいのですが、今、林業大学校は各県でつくるべしと、しかも林業大学校の中身は林業生産など農林水産省の息のかかった仕事だけを教えなさいというような国柄ですので、もっといろんなことを教えようと、動植物のことも教えようというふうに、紀伊半島の林業大学校はなっていくと思います。

 それと、川下の木材の搬出、間伐材の搬出、森林環境管理とその搬出した後の流通についても学校で教えて、それを指導するというフォレスターが出てきて、スイスも私有林がほとんどだそうですので、国法で私有者の所有権がその管理に従うということが行われているわけですが、日本は森林の所有権、農地の所有権が強くて、ほったらかしが許される国ですので、恥ずかしいことだと私は思っております。学ぶと恥ずかしさを感じますね。すごいことをやっている国があるなというような今、印象ですね。

毎日新聞:
 先ほどの森林に関してですが、狙いとしての人材育成というのはわかるんですが、県境を越えて4県でやる一番のメリットというのは何だというふうにお考えですか。

知事:
 もしできたら、森林環境管理制度というのを条例で、同じ条例をそれぞれの県が通すことによって、紀伊半島の森林は他の県と違う森林環境管理が行き届くことになれば大変うれしいなというふうに思います。それが前提になってきているということはわかってきました。森林環境管理制度については、先ほど申しましたように、統一的な国法はないし、期待すべくもないと思いますので、条例でもしそういうことができれば大変大きなことだというのが前提で、その条例の遂行の管理者がフォレスターという制度、これも条例の中でそういう制度ができるかどうかというのは大きなことだと思います。

 それから、人材育成についてのスイスの方が来られたときに、教育が一番大事ですとおっしゃったので勉強し始めたのですが、教育の対象は作業員とか職能教育ではないんです。山持ち主の教育というのがあって、何のために森林を持っているのかということを教育で変えていけないかということがスイスで、山の持ち主との調和というのもあると思いますが、教育は山の持ち主から管理者、作業員、いろんなパーツにわたりますということをおっしゃったので、すると今まで林業大学校でやってきたことは、作業の実習といったことが中心で、職能教育であったと思うわけです。もう少し高度な教育をすることができたら、日本の森林環境管理がよくなるのではないかというような、これはカリキュラムの中身のことであります。そのような期待を持って勉強しようという中での交流が一つ行われるというふうにおとりいただければと思います。

毎日新聞:
 そうすると、山の所有者なんかも巻き込んで一緒に。

知事:
 巻き込めたらいいんですけどね。川上村に行くんですが、川上村の方で、社中(吉野かわかみ社中)という、上から下まで管理を縦型協同組合と県では言っておりましたのを実行された、下西さんという方がおられるんですが、彼とはスイスに一緒に行ったんですね。何百年の山の持ち主ですが、彼は、日本の森林管理はスイスみたいに変わればいい、意識が違うというようにおっしゃっていましたので、そんなふうに巻き込むことができたらいいですが、一緒に行くことで、こちらへ巻き込んだと言うと失礼ですが、そういう意識を持っていただいた。森林をどうしようかという意識を持っておられた方がスイスに行って、ああ、これだと思われて、今度のリースの実習生の受け入れも率先して川上村でしていただくということになったと思います。そのように学びながら意識が変わっていくということは、大変大事なことだと思っております。

毎日新聞:
 最後に、タイムスケジュール的な部分、今は、勉強会レベルの話だと思いますが、めどとして条例をいつぐらいにしたいだとかといった思いはありますか。

知事:
 今申し上げましたように、大事なのは森林環境管理制度の条例ができるのか、その上でフォレスターという制度、教育施設ができて、それを3県合同でしようということで、この夏も3県知事会議で一つのテーマにしたいと思います。3県知事会議のテーマにするということには合意を得ておりますが、今おっしゃったスケジュールも、そのときの協議の一つのアイテムになると思います。もし最速であれば、今年度の2月議会に条例案を出すというのが超最速ですが、正直申し上げますと、なかなか難しいかもしれません。すると、1年半勉強して1年後の年度を超えるときに条例を出そうかというふうになろうかと思います。

 フォレスターは、森林環境管理制度があってのフォレスターだと、最初はフォレスターを養成しようと、フォレストアカデミーで突っ走っていうこうかとしたんですが、やはりその前提となる森林環境管理制度が大事だということがわかりましたので、そうしますと森林環境管理制度という国法がないから、スイスのような法律がないから条例にしないといけないとなるとなかなか大変ですので、フォレスターの学校をつくるだけではなく、何のためのフォレスターかということになりますので、その環境管理制度をできるかどうかを研究をしてもらっています。スイスの法律や制度が、そのままもし条例化できたらすばらしいことだと思いますが、山主、持ち主が、そんなことはさせないぞと、俺の山だとおっしゃることもあるかもしれませんので、なかなか強力なの(条例)はできませんが、(スイスの法律や制度が)そんなに強力か、私権の制限になっているかどうかはわかりません。そうでもないような感じもしますので、もし非常にソフトなスイスの連邦法であれば、大変適用しやすいように思いますので、そのような勉強もし始めています。

 うまくいけば共通条例ということになればと思っていますが、本当にうまくいけば来年2月議会でもと、多少希望は持ちますが、それに向けてスケジュールがフィックスされているわけではありませんので、そうすればもう1年また勉強して、あるいは勉強して議会に報告し、森林の関係者と協議しながら。急に持ち出してするような類いでもありませんので。スイスに一緒に見学に行ったときに、下西さんや、十津川村の人が一緒に参加されて、びっくりしたとおっしゃって、こうなっているのかという見聞を、明治の遣欧使ではありませんが、森林の遣欧使として目覚めていただくとこちらも目覚めたような気がします。関係者が目覚めていただくとすばらしいなと思います。

毎日新聞:
 わかりました。

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奈良県がパラリンピック(水泳)の競技拠点県に決定![拠点施設:スイムピア奈良]

NHK:
 スイムピアの拠点指定なんですけれども、これは何が評価されてそれに至ったと分析されているのか、それと、今後そこで選手に結果を出してもらいたい、あるいはパラリンピックを盛り上げていきたいという意気込みなり期待なりを、あわせて教えてください。

知事:
 スイムピアに、香港のナショナルチームが来て、この前、シンガポールのチームが来て、今度は日本のナショナルチームのパラリンピックの強化拠点になりますということです。なぜスイムピアが選ばれたんだろうかということでありますが、施設は水温管理が良いように聞いております。もう一つは、スイムピアを県民の方のため、あるいは障害者の方のため、障害者の個人利用の無料化とか、レーン占用料金を安くするとか、障害者の方にどんどん来てくださいということを、これは県議会で猪奥議員が、障害者の割引をもっと充実しなさいとご質問があって、直ちに実行した経緯を今思い出しました。プールは割と障害者の方に相性が良いようでありますので、障害者のリハビリとかトレーニングでプールを使ってくださいという意味も込めて障害者のプールということをしてきたのも、トップアスリートの養成と直接関係しませんけれども、障害者のプール利用に熱心になっているということも確証ではありませんけれども、あったのかなと思います。

 トップアスリートの養成は、コーチが来て、選手が来て、プールがあればどこでもできるんですけれども、そう差はないと思いますが、あと固有の合宿・宿泊所がないんですが、これも一つの課題で、合宿・宿泊所があれば良いんですが、健康ランドの近所のホテル、香港の場合は奈良市内のホテルを使っておられました。だから、少し不便があるように思いますけれども、それを乗り越えてでもここを使っていただくということになってきているので、今後はスポーツ合宿を一つの地域振興のテーマにしていますので、この場所、水泳だけでなく、南部の体育館を使ったり、山を使ったランニングとか、自転車のというような、スポーツをテーマにした地域振興というものを一つとしていますので、そうすると山に行って、その日にスポーツして戻るというのは大変だから、何かの合宿所とか宿泊所、簡易なものが必ず要るんです。このスポーツ施設についても、合宿所のような宿泊所が必ず要るなと思って、奈良はそういう準備がないことが課題でありますけれども、今後、スポーツ施設を作るだけではなく、そこで何をしてもらうかという中のスポーツ合宿、スポーツトレーニングセンターということを視野に入れますと、食事と合宿、泊まりの施設を十分、近所でもいいんですけれども、作っていくということが一つの課題だと思っています。

 このように、奈良県のスイムピアを利用していただくことになって、その勢いが多少出ているのは本当にうれしいことだと思っています。今後は観客席につける屋根の設計の予算を当初予算でいただいておりますので、屋根もつくと思いますが、そのような施設、指定管理でありますけれども、施設の充実をするということと、それとその利用の仕方の中でのトップアスリートの養成、障害者の利用促進、あるいは高齢者の利用促進というようなものをテーマにして指定管理者と協議をしているのがこのプールの大きな特徴です。お客さんという言い方は変ですが、どんどん増えています。それはありがたいことであります。テーマを決めてプール利用を促進しよう。現地の指定管理者の方、とても熱心にしていただいております。スポーツ大会、スポーツイベント、あるいはトレーニングイベントということになりますが、熱心にやっていただいておりますので、県の方針と指定管理者の方針が大変一致しているのでうれしいと思っております。今後ともそういう方向で、道をさらに広げていく、進めていくというように願っています。

NHK:
 パラリンピックの水泳に限っては、そこを拠点に県としても応援して盛り上げていきたいという気持ちがあるということでしょうか。

知事:
 そうですね。県のパラリンピックスイマーだけではなく、アスリートを養成して活躍してもらうという、パラリンピックタレントというんですか、やり投げ、砲丸投げなどは、県の出身者、山手さんという方がおられるようですけれども、そのような方の養成も、障害者パラリンピックタレントの養成にも27年度から県独自で取り組んでおりますので、水泳だけでなくやっておりますけれども、このような施設をナショナルチームが利用していただくということは大変うれしく思っております。5県がそのような指定を受けた県であるようです。パラリンピックで、ボッチャが大阪、水泳が奈良、パワーリフティング、車いすフェンシングが京都、自転車が山口といったようなことですので、2年間トレーニングしていただけるようでありますので、よかったと言ってもらえるようなサポートができたらと思います。

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リニアの中間駅誘致及び県の新幹線構想について

日経新聞:
 知事、先週、リニアの期成同盟会が開かれました。今、北陸新幹線の大阪延伸南ルートも決まって、大事な局面だと思うんですけれども、改めて県としてリニアの中間駅誘致にどういう方針で臨まれますか。

知事:
 リニアは、昨年度の政府の予算措置で3兆円無利子貸し付けで、少なくとも20年後には大阪まで延伸できる可能性が極めて高くなったと思います。鉄道は、計画ができたら、よほどの支障、例えば、土がとても悪かったとか、昔は丹那トンネルなど、あるいは地元の大反対があってふさがれたというようなことがない限り、とても堅調にいくのが鉄道の工事でありますので、20年後に大阪までの延伸ということがほぼ決まってきた。段取りは、10年後に東京-名古屋、その後すぐに工事が始まって、10年間で名古屋-大阪という段取りがあります。その中で、リニアの奈良市付近というのは、昭和46年に奈良市付近と基本計画で決まり、平成23年の整備計画でも奈良市付近ということが決まっておりますので、全国新幹線鉄道整備法の基本計画、整備計画で決まっており、その法律に基づいてJR東海が建設主体、営業主体の指名を、指定を受けたわけでありますので、JR東海は当然、その全幹法に基づいてやっておりますということは、奈良市付近を守ってやりますと言っていただいておりますので、法的には揺るがないと思います。

 それを確実なものにしていくためには、具体的にルートと駅位置が名古屋以西で確定していく必要がありますので、環境アセスメントを早期に実施してくださいというお願いをしております。JR東海さんは、10年後に建設が始まる4年前から環境アセスをすれば十分ですと、こう言っておられます。そういたしますと、今から6年後に環境アセスをすればいいですと言っておられますが、奈良県、三重県は、もう少し早くしたほうが安全。環境アセスは、奈良、三重よりも新大阪が大変ではないかなと私は思いますけれども、そのためにも環境アセスを早くしたほうが良いと思っています。ただ、環境アセスの工事着手をして、東京-名古屋の工事着手をしてそんなに時間がたっていませんので、急速にJR東海は学習をされておられます。それにやはり全体的なトーンとして、地元の工事のある地元自治体、とりわけ県と協調的な関係があれば工事はスムーズにいく、これは鉄道工事の鉄則でありますけれども、そのように思ってきていただいているというように思います。

 それと、東京での自民党の会議でも言いますが、お互いの地元県と、施行主体、建設主体、営業主体のJR東海との信頼関係が大事なので、事前に県がやっておいて役に立つことはします。それをJR東海には信頼できるような筋道といいますか、このようにしましたということを報告するようなパイプを作ってきております。それは、そういう調査、事前調査は邪魔にはならないですので、気にされているのは、ほとんど地下なんですけれども、工事支障がルートの選択によって発生しないように、あるいは工事が現実に進む、土地取得などで障害がないようにということを願っておられますので、それはルートの選定と裏腹でありますので、ここを通ればいいなというのと、では、そのあたりの調査しましょうかというのが正式には環境アセスが始まって行われるわけでありますけれども、帯ではもうおりてきておりますので、20キロだったかな、帯でこのあたりの大ざっぱな環境アセスはもうされておりますので、名古屋からずうっとおりてきて大阪までの、その帯を外れることは今までめったにないです。帯を外すと10年、20年後というのはもう吹っ飛んでしまいますから、帯をもう一回すると30年後、40年後になる可能性がありますから、帯を外さない中での工事ということには絶対になると思いますが、そんな簡単にぱっぱっといくわけはありませんで、その帯の中でどのあたりか、20キロの帯だったと思いますが、ずっとありますので、その中でリニアの通過ルートが決まっていくというように思って、最終的にお決めになるのは工事を全額持たれるJR東海になりますけれども、全幹法という中には、地域の振興という法の目的、高速鉄道機能の均てんというものが入っております。JR東海が何度も言っているように、幹線インフラの二重系化ということがとても大事です。幹線鉄道の二重系化、これは災害に備えて離す、離すことから北陸新幹線も始まっていますので、東海道新幹線だけでは心配だ、北陸新幹線を作ろう、中央新幹線を作ろうというように、3つ決まったのはそういうことであります。

 これは二重系化、リダンダンシーというものが絶対条件であります。だから帯が離れているわけです。それと全幹法で行うのは地域振興と高速道路の均てん、これは裏腹であります。また、リニアですから速いことが売り物でありますので、早く大阪に着くということの調和ということになりますけれども、その工事の場所を具体的に決めていくのは環境アセスから始まるわけでありますが、昔は駅だけ決めて作ろうということがありましたけれども、それは在来線の横に新幹線を作るということが、駅は在来線と併設するということを前提に駅着工という手法がありました。それは福井駅とか、敦賀駅はまだなっていないかな、武生、金沢、富山等、駅着工という手法がありますが、レールが来る前に、駅だけ新幹線仕様の駅ができてきたのはそのためであります。駅着工という手法がありますが、駅の場所だけ決められた。

 長崎線も、駅着工、長崎駅だけは駅が着工されている。長崎は、もう駅はほかに行きようがない、ここ新幹線の駅はこの在来線の駅と併設するということを決めて、駅着工してもいいということは担当していたことがありますので、そういうことを決めたこともありますけれども、リニアは駅の位置も多少そういうわけにもいきませんので、ルートと駅は一緒に決めたいとJR東海は言っておられますので、ルートと駅の環境アセスが早く始まって決めていただくように、そのときに地元との信頼関係に基づく協調が進めば良い。今、そういう関係にはなっておりますが、そのように思います。そのような姿勢を堅持しながら進めていくことになると思います。

奈良新聞:
 前おっしゃっていた新幹線構想ですが、リニアも絡めて、この間、近畿ブロック知事会議の中で、徳島県が四国新幹線の要望を出されていて、そのあたりも含めて、知事、年度内に国等に要望するという話はされていましたが、その進捗状況と、四国新幹線との話も含めて教えてください。

知事:
 北陸新幹線南下論というものを自民党の会議で主張いたしました。奈良県の提案でいたしました。一つのインパクトでありましたが、その後、勉強しております。また、あの構想が形になれば発表していきたいと思っております。いつのタイミングになるかですけれども、まだいつかというところまで固まっておりませんので、また、このようなビッグプロジェクトはできるだけ早くというものではないんですけれども、いろんな要素がありますし、いろんな要素を少し勉強しながら構想を固めて、奈良県として発表できるようなことを、まだ忘れないで勉強しておりますので、いずれ近いうちにと希望いたします。

奈良新聞:
 その徳島や福井と連携するという話はどうですか。

知事:
 どちらかというと奈良県が案を練って、それに関係する県があれば一緒にやりませんかといったようなことになると思います。

奈良新聞:
 今の段階では、徳島や福井に、こういう案があってどうですかという話まではいっていないということですか。

知事:
 まだいってません。

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県庁や学校での禁煙・分煙について

NHK:
 たばこの禁煙の話ですが、きょうは世界禁煙デーということで県でもイベントされていますが、先日、県内の市町村の庁舎内禁煙がようやく全部そろったと。歓迎すべきことですが、県は庁舎内禁煙は大分早くされていて、この機に一つ提案ですが、たばこを庁舎内で吸えない人は外に行きますよね。そこで吸ってきた後の人の吐く息、それから衣服に付着しているものというのが有害だということが知られていて、戻ってきたら有害なわけですから、いっそ勤務中は禁煙にするとか、少なくとも私がすごく感じているのは、エレベーターに乗ると、吸った後の職員の方の吐く息で煙たいと。これ観光客も一般の県民も乗るわけですから、少なくとも喫煙後はエレベーターを使わないようにするとか、できることはあるのではないかと思うんです。奈良県って全国一喫煙率が低いという輝かしいポジションだと思うので、ぜひ何か踏み込んだ施策をここで出していただければいいなと思うんですが、お考えはいかがでしょう。

知事:
 そのエレベーター乗車禁止というのは……。

NHK:
 まあ少し過激ですが。

知事:
 いえいえ、決して過激ではありません。気がつかなかったので、正直あっと思ったのです。というのは、職員が、夕方とか昼前に、外で吸っているんです。寒いところで冬でも吸って、思わぬところから職員帰ってくるので、あれ何してるんだと言うと、いえいえって言わないんですが、一緒にエレベーター乗ると、「吸ってきたのか。ニコチンか。」と冷やかすんですが、ニコチン族の顔もだんだん覚えてきました。おっしゃるように、におうぞと、そばに立っているから何度も言いました。冷やかし会話の一環ですが、寒い中エレベーターで上がってくるのに、乗らないでほかに行けというところまでは思いつかなかったですが、有力な手法だなと思って。

NHK:
 ぜひご検討願えれば。

知事:
 わかりました。検討します。とりわけ観光の人が乗ったりする…。

NHK:
 よく乗りますね。屋上を開放しているわけですからね。

知事:
 昼は。夜、残業するときに、一息入れて上がってくる人がいるんです。私が帰るときに上がってくると。冬場などは、もう暗くなっているから、あれ、どうして外から帰ってくるんだと。いや、ちょっとといってこそこそと入ってくるんですが。ああ、これ(たばこ)かといって言うんですが。夕方からだとどうかな、ちょっとエレベーターのにおい消し、においだけじゃなしに……。

NHK:
 有害ということがもうわかっているので、短時間でも有害だということは実証もされているので。

知事:
 わかりました。検討します。記者会見で検討しますというのも珍しいですが、検討します。

NHK:
 勤務中の禁煙についてはどうですか。

知事:
 ああ、時間中、ああ、それも。

NHK:
 勤務中の喫煙を一切やめてもらう。

知事:
 そうですね、そしたらフレックスでやめるかな、きょうは喫煙日だとかいって。喫煙日だから午後休みますと言うかな。

NHK:
 もうすごい大ニュースだと思います、そうなったら。

知事:
 喫煙日だから午後休みますと言うかな、検討しますね。これのほうがより過激なような気がしますけど。寒いとこに、外の分煙室というのがあったほうがいいのにと思ったりもするんですが、なかなか。中では吸わないで、外で吸わせているんです。しかし、寒いので逆にちょっと……。

NHK:
 本当にご本人の健康のためにも、吸わないということが一番いいんだと思います。

知事:
 そうですね、国のほうでも何か分煙、禁煙、喫煙と、大変なことになりましたね。その混乱の中には入りたくないけども、おっしゃるように分煙というのは大体確立してきている面があるので、その2つは検討いたします。へえっという感じがしました、なるほど。

朝日新聞:
 私からも一つ。
 私はこのままいくと階段で行かないといけないポジションになってしまいます。

知事:
 記者クラブのほうで、そこをちょっと。

朝日新聞:
 まあ分煙というのはもちろん賛成なんですが、あそこだと空気が漏れますよね。2カ所ありますよね、この下と、議会棟のほうですね。空気が外に行くという意味では、吸わない人に対して煙が入ってしまうので、空間をつくったほうがいいと思うんです、ああいうふうに外につくるという場合に、喫煙室のような形のほうがいいですね。

知事:
 ああ、外で、寒いとこでこう……。

朝日新聞:
 そうですね、温かい環境でというわけではないですけども。

知事:
 いや、何かそれが気になって。蛍族じゃないけど、あそこでぽっぽっと蛍がいるなというよりも、大体囲って、そこでまず煙を吸収して、そこで脱臭とか脱煙をしていけばいいんですが、まあそうはいかないかな。

朝日新聞:
 そうですね、比較的安価だと思いますので。あと、学校だとかも、施設の外で締め出されて、学校の先生が外で吸っているという風景をよく見ますんで、それは周りの目からするとどうなのかなというのもあるので、一概に締め出しというのも、世の中の流れなのでいたし方なしですけれども、外観上ちょっとよろしくないかなというところはありますね。何とかなりませんか。

知事:
 そうですね、分煙こちらもちょっと検討します、一方だけ検討するというわけにいかないから、両方検討いたします。

朝日新聞:
 少数者の声にも耳を傾けていただいて。

知事:
 そうですね、日本特有のすみ分けというのか、おっしゃるように公の施設、学校といったようなところが対象になりますので、ちょっと工夫をして、実行できるところは、多少の投資で実行できたらそれにこしたことはない。やはり、外に行って吸って記者クラブへ帰っておられるんですか。その日はもう外回りで帰ってこないとか。

朝日新聞:
 いえいえ、健康のために階段で行くことはありますけど、エレベーターに乗らずに。

知事:
 なるほど、わかりました。

 それと、おっしゃった浄化・換気装置が昔の建物は総じて弱いような気がします。分煙室は、換気装置が物すごい勢いで吸い込むので外に漏れませんが、そういう部屋に換気を全面的に変えるのはなかなか難しい。エレベーターの換気というのはなかなかうまくいってない、閉じこもり型だから、それも含めて換気を随分したエレベーターをつくって、禁煙された方はこちらに乗ると、ほかの人が乗らなくなってしまうから、たくさんエレベーターがあればそういうこともできる。冗談ではなく、両方検討いたします。ご質問ありがとうございました。

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ナラ枯れについて

関西テレビ:
 ナラ枯れに関して、ほかの府県から持ち込まれてしまったという面もあると思いますが、奈良県としては、この急激に増えている現状をどう捉えていらっしゃるんでしょうか。

知事:
 ナラ枯れは随分と、他の県でも発生してきて、奈良では最近、勢いを増しているような傾向にあります。

 全国でもナラ枯れの被害が多く出て、平成22年がピークだったと報告を受けています。被害量、被害材積、被害材木の量ですが、平成22年は32.5万立米というピークの記録があります。去年は、7.6万立米ということで、平成22年は4.5倍ぐらいであった。急激に減った実績が他県ではあると報告を受けています。

 奈良県で最近、増えてきたのはどういうことか、またそれに対して奈良県はしっかり対応するのかという内容の質問と受け取らせていただきます。平成22年に32.5万立米のナラ枯れ被害が全国展開したときには、日本海側が目立ったというように聞いていますが、日本海側がいろいろ努力されて被害が減少傾向、一方、奈良県では平成22年度から被害が確認され始めて、27年、28年度には被害の拡大があると、遅まきの拡大があるというふうに認識をしています。体長5ミリ程度のカシノナガキクイムシという虫が、木の中に入って、水の水路を阻害するので枯れ木になる。ナラ菌という(病原菌を媒介する)カシノナガキクイムシが繁殖するとナラ枯れ被害が広がるという生態系が、分かってきています。

 対策は、結局、他の県でも実施したことでありますが、虫(による木)の伝染病と同じですので、病気になった木を伐って、くん蒸して、消毒して、囲って捨てるということが感染しない方法、そのような伐倒くん蒸駆除といったようなやり方が基本になっているように聞いています。それにビニールでくくって、虫が枯れた木から新しい木を探して飛び移ることのないようにということを地道にしていく。虫が入ったらそういうことをやっていこうと、こういうことをしています。

 奈良県ではその被害が拡大ぎみだということで、県が2分の1を補助するという制度になっていますが、平成29年度は、対策予算を増やしています。具体的には、平成28年度では800万円程度でしたが、平成29年度の補助金では3,000万円に増やしました。これで被害の拡大が食いとめられるのかというのが心配している課題です。被害の拡大状況を見ながら、対策の量を強化しなくてはいけないと思います。

 先ほど申し上げたフォレスターが入りますと、スイスの林業大学校の専攻のカリキュラムには、こういう動植物生態系というものが大きな科目に入っていますが、林業大学校で今までそういうこと多分教えてなかったと思いますが、これからフォレストアカデミーを作ると、こういうことも教えて、木の病気や、木の健康度を、フォレスターがはかる能力があって、森林所有者、森林管理者に、注意をするとか、指導するとかというような制度が、先ほどの森林環境管理制度の中に入ってくると思います。しかしそのような制度の確立を待つわけにもいかないので、今申し上げた手法はある程度原始的というか、手間をかけるしかないような手法が今のところ基本だと聞いています。その対策量、対策の手当てを増やして、ナラ枯れ拡大防止をしたいと思います。さらに拡大しているかどうかもウォッチしていきたいと思います。このぐらいかけただけでは治まらない、感染が拡大するときは一挙に拡大し、閉じ込めてしまうとぎゅっと収縮していきますので、おしくらまんじゅうになると思いますが、その様子を見ながら実行していきたいと思います。

関西テレビ:
 2点あるのですが、伝染病補助の予算が幾らになっているというのは、もう本腰入れてやっているというのは伝わるのですが、実際その補助金を出せるところが森林でないところだとか、一般住宅に関しては対象外になると思うんですが、伝染病のような現象である以上、そういったところも補助の対象にしていくべきではないのかなというのが1点。あともう一個、対策に関してなんですが、ビニールで巻くだとか、そういった周りに飛んでいかないようにという対策ですが、専門家によっては逆にそれが逆効果で、それを閉じ込めてしまったがために虫を殺すべく木を伐ってしまったりだとか、虫に対抗できる木を伐ってしまったりだとかというのが原因で、今回奈良県では急激に広がっているという説を唱える人もいるんですけども、その対策に関しては、県としてはどういったものをもって対策として取り入れているんでしょうか。

知事:
 一般住宅にあるナラ枯れ被害木も補助対象になるかどうかということですが、県の予算を市町村に補助する形です。市町村がここに対策をしたいといったときに、そこも一般所有者、住宅地の中の森林、あるいは市内、都市内にある小さな木が被害に遭っているという実態があれば対象にしてもいいのかなと思います。今のところは一般森林所有者、森林の大きな、森林が密集しているところの被害が拡大要素が大きいということで補助をしていますが、被害の拡大防止という観点から、その対象にあります。どこを優先にするかということでありますが、住宅や施設に隣接しているものや、利用者に危害を及ぼすおそれがあるものというのは、木が枯れて倒れるといったようなこともあるので、そのようなことを今までも実施はしていますが、体系的になっているのかどうかというのがありますので、どこを対象に、その対策を講じるのかということをもう一度、効果的かどうかという観点から見直すように指示したいと思います。

 対策の内容で、私が聞いているのは4つです。伐倒駆除、木を伐って燃やすなどして捨てる、虫をほかに移らないようにする、2つ目は、それをくん蒸するというようなこと。それからビニール被覆、そして粘着テープでやる。基本的には伐倒、ビニール被覆で捨てるといったようなことが中心になっています。それ以外のやり方があるかどうかということも、検討してみたいと思います。私自身が、あまりまだよく知らない面があると思いますので、ほかの県で、特に日本海側で平成22年度から急激に減ったのはどういうことをやったのかということを、先ほど聞いたが、「日本海も同じようなことしかできませんでした」という当座の返事でしたが、「本当かどうかもう一度調べてください。」とお願いしましたので、こういうものは、やり方が開発されることが多いので、今一番最前線のやり方は何かということをもう一度確認したいと思います。

司会:
 ほかによろしいでしょうか。
 それでは、これで知事定例記者会見を終了させていただきます。ありがとうございました。

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(発言内容については、読みやすくするために、広報広聴課で編集しています。)

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